こんにちは。
とあるメーカーで海外営業、貿易実務に携わって20年超の神高(かんだか)です。
ネットの書き込みで「簿記3級は履歴書に書けないの?」という書き込みを目にしました。
ああ、そういえば学生時代の昔、こんな「変なこと」を考えていたな、と思い出しながら(笑)
結論から言えば、日商簿記の3級なら履歴書の免許・資格欄に書いて全然問題ありません。
というか、むしろどしどし表に出していくべきです。
「日本商工会議所簿記検定試験 3級」と正式名称で堂々と履歴書、職務経歴書に書きましょう。
とはいえ、人間関係と同じで何でも押せば( PR すれば)良いというわけでもない。
自己アピールするなら、注意すべき点もあります。
ここでは、一緒に「注意点」「書けない理由」を見ていきましょう。
「簿記3級は履歴書に書けない」の本当の意味とは?|日商簿記3級なら免許・資格欄に書いて全然問題ない
「簿記3級は履歴書に書けないの?」という質問の背景には、おそらく以下のような事情があると思われます。
- 一般的に、検定試験は履歴書に書けるレベルは「2級以上」と聞いた
- 「3級」を履歴書に書くと、ほかに誇れるものがないと思われないか心配
- 同じ簿記3級でも「日商簿記」ではなく「全商簿記」の3級しか持っていない
- 簿記3級の資格はあるが、入社して会計や財務の仕事をしたいわけではない
- 簿記3級の資格試験は思いのほか簡単だったので、PR するのが恥ずかしい
しかし、いずれも心配するほどでない、というものばかりです。
一緒に理由をみていきましょう。
一般的に、検定試験は履歴書に書けるレベルは「2級以上」と聞いた
検定試験は履歴書に書けるレベルは「2級以上」と聞いた。
そんなフレーズを聞いたことがある方も多いでしょう。
実際、ぼくの若い頃、学生時代にもそのような話があり、一念発起して日商簿記2級を学生の間に取得する優秀な友人もいました。
ただ、このセリフはあまり事情を知らない、無責任で無邪気な学生同士の会話から生じているのではないでしょうか。
というのも、学生に馴染みの深い英検がちょうどそのレベル感だからです。
英検3級は中学卒業程度、とされています。
使える英単語が約1000語。
実際には「英検3級」でも貿易実務の仕事で戦力になれる「入口」あたりのレベル(本当です)なのですが、履歴書に書くには心もとないことは確かです。
だから、簿記3級も履歴書に書けないんじゃないか。
簿記資格についても、その程度の認識ではないか、と。
しかし、日商簿記3級なら新卒採用だろうと中途採用だろうと、履歴書に書ける資格です。
3級だからといって、決して入門レベルにとどまるわけではなく、むしろ会社で使われているレベルの知識を網羅的に、体系的に学べる資格試験となっています。
簿記3級の合格率はだいたい50%。
コインの表と裏くらいの確率ですから、簡単に思える反面、実はなかなかの難易度ですよ。
「3級」を履歴書に書くと、ほかに誇れるものがないと思われないか心配
「3級」を履歴書に書くと、外に誇れるものがないと思われないか心配。
その気持ちも、わかります。
わかりますが、そこまで自分を卑下、謙そんする必要はありません。
自己肯定感が低すぎます(笑)。
日商簿記3級なら、20時間から50時間程度の勉強時間と2、3回の受験を経て合格していると思います。
学校の先生や親から強制されるでもなく、自主的にそれだけの学習時間を取ることは、実は誰にでもできることではない。
また、採用する側からしても「何かして欲しい仕事やポジション」があるから、履歴書の応募を受け付けているわけです。
その仕事と簿記の知識に多少なりともプラスの効果があると思えば、好印象を持ってくれます。
実際、簿記や会計の知識が役に立つ仕事や役職は少なくありません。
営業や資材はもちろん、他部門や拠点をサポートする間接部門、物流や社内システムを管理する仕事など、簿記や基礎的な会計の知識は力になってくれます。
同じ簿記3級でも「日商簿記」ではなく「全商簿記」の3級しか持っていない
「全商簿記3級」を持っているけど「日商簿記」はまだない。
そういう事情なら、ぜひとも「日商簿記3級」を取得して履歴書に書きましょう。
なぜなら、幸い、日本商工会議所は簿記3級をオンラインテストでも開催してくれるようになったからです。
いまや、日商簿記3級と2級は、公開会場で行われる年3回のチャンスを待たなくとも、すぐに試験が受けられて、合否の結果も即日、すぐに教えてくれます。
合格しておれば、スマホに合格証が届く、といった具合です。
全商3級に合格できる実力があるのであれば、ゴールはその延長線上にあります。
日商簿記3級なら無料でテキストを入手する方法もありますから、時間に余裕がある時期を狙って日商簿記3級まで取得してしまいましょう。
簿記3級の資格はあるが、入社して会計や財務の仕事をしたいわけではない
簿記3級の資格はあるが、入社して会計や財務の仕事をしたいわけではない。
たしかに、履歴書に簿記資格を書くと勘違いされる可能性もあります。
ただ、今の時代、希望する職種があるのであれば履歴書や面接などでアピールしておけばコミュニケーションのミス、行き違いは防げるでしょう。
やはり、雇う側、仕事を与える側としても、「社員には長く前向きに働いて欲しい」と願うからです。
免許・資格欄に「日商簿記3級」あるいは「2級」と書いたからといって、キャラクター(性格)や職種への希望を無視して配属するような時代でもない。
とにかく、インターネットの発達や様々な合理化により、いわゆる「仕事」は多様化しています。
考え方次第では、あらゆる「仕事」は簿記や会計の知識とつながっている、とも言えます。
「簿記」=「会計部、財務部」という時代でもないのです。
簿記3級の資格試験は思いのほか簡単だったので、PR するのが恥ずかしい
簿記3級の資格試験は思いのほか簡単だったので、PR するのが恥ずかしい。
こんな風に思えるなら、簿記や会計の分野にかなり才能がある、と言えるでしょう。
恥ずかしく思う必要はなく、むしろ自信を持つ出来事です。
センスがもったいないので、2級、1級とチャレンジを続ければ、さらなる高みを目指せる、かも。
というのも、日商簿記3級といえども「難化傾向」にあり、いまや10年、20年前とは範囲も出される問題のレベルも違うからです。
それを、仮に20時間程度の勉強で日商簿記3級に一発で合格できるなら、相当な適性です。
履歴書の免許・資格欄に書くにふさわしい。
もちろん、その「センス」「適性」を活かして2級まで取得できるなら、なお素晴らしい。
一般的には100時間程度の学習時間が必要、とされていますが、才能で圧縮できるかも知れません。
一般的な企業、特に地方都市の会社や中小企業なら、日商簿記2級の取得者は「財務部」「会計部」と呼ばれる部署のチームの一員になれるレベル、と考えてくれますからね。
「本当かな?」と心配なら、無料で使える求人情報サイトで実際に検索してみるとわかります。
「日商簿記2級 未経験者」といったキーワード、条件で検索してみましょう。
「簿記3級は履歴書に書けない」の本当の意味とは?|日商簿記3級なら免許・資格欄に書いて全然問題ない
ここまでの内容をおさらいしておきます。
「簿記3級でも、履歴書に書ける、意義あり」といっても、もちろん TPO、時と場合、目的によりますよ。
「東証一部上場企業の経理専門職募集(幹部候補)、実務経験者を優先」
なんて求人に応募する現役の経理マン(男女限らず)、たとえば35歳くらいのバリバリの方が「日商簿記3級」なんて職務経歴書に書くのは、さすがにおかしい。
相手が求めている「人物像」や「経験」とあまりにかけ離れていますからね。
そんな人は簿記2級かできれば1級、あるいはさらに上位の資格(例:税理士の科目合格)と職務経験をアピールしていくことになるでしょう。
しかし、そんなケースはレアですし、地元の企業で働きたい、あるいは今の職場で仕事の幅を広げたい、なんて場合は簿記3級で十分に役に立ちます。
あるいは、定年後や早期退職後に自営業(フリーランス)を始めて、青色申告(確定申告)をしたい、なんて場合も簿記3級がちょうどいい。
何といいましょうか。
「日商簿記3級」って、ドラクエでいえば「鉄の盾」とか、それくらい「入手コスト」と「便利さ」のバランスが良いと思うんですよ。
老後の2000万円問題とか、年金受給年齢が上がるから定年が延びるんじゃないか、とか何かと不安をあおるニュースが多い昨今。
ぼくなんか根が臆病なので、会社に給料分の貢献ができているのだろうか、なんて変なことを考えてみたり。
だからでしょうか、働きながら学べるレベルの資格試験が好きなんですよね。
簿記・会計、英語、パソコンなどの IT 周辺、通関士やその他外国語など。
中でも基礎的な簿記の資格(3級、2級)、会計の知識はずっと変わらない、一生使える「お得な」スキルと考えて間違いありません。
世の中には大量の会社、個人事業があって、もれなく誰もが会計帳簿(財務諸表)をつけているからです。
いくら IT 化、デジタル化が進んでも、中で動いている仕組みは簿記・会計の仕訳(しわけ)と財務諸表そのものです。
だから、簿記3級を履歴書に書いてもいいのかな、なんて悩まなくていい。
人を雇う側、人材を必要としているサイドからすれば、決定的な要素ではなくとも、見逃せない魅力の一つです。
「日本商工会議所簿記検定試験 3級」と正式名称で堂々を書きましょう。