こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。
貿易実務検定(貿実)がどんな資格か、調べていますか?
「貿易実務検定」は、メーカーや商社で貿易の事務や海外営業に関わる人が気になるであろう資格です。
貿易事務に就きたい、などの事情で、あなたも試験内容を調べている、あるいは受験を予定しているかも知れませんね。
この貿易実務検定、A級からC級まであって、貿易実務C級が一番簡単です。
となると、「英検や日商簿記なら3級に相当するんでしょう?c級じゃ無意味じゃないのかな?本当に使えるのかな?」なんて思う人がいてもおかしくないので、あえて言います。
貿易実務、貿易事務に就きたいなら、とりあえず「C級」で十分です
というか、貿易実務、貿易事務に新たに挑戦したいなら「C級」がちょうどいい。
貿易実務B級は、「実務者向け」だけでなく「管理者向け」の試験範囲も含んでますからね。
とはいえ、「試験として」取り組まないと、C級でも簡単じゃないですよ。
特に OJT (On The Job Training)から先に入った人は、予備知識なしでC級をいきなり受けたらキツいかも知れません。
その理由を産業機械などを扱うメーカーで貿易実務に関わる「中の人(ぼく)」がご説明しましょう。
ちなみに、貿易実務検定を運営・実施しているのは(株)マウンハーフジャパンです。
貿易実務検定C級は無意味?~現役「中の人」が答えます|通関士とどっちが難しいのか
貿易実務検定C級、通関士、どちらも資格試験は貿易事務に関わるつもりなら学ぶ価値のある資格試験です。
いずれも無意味、なんてことはありません。
ただ、貿易に関する仕事が未経験なら、いきなり「通関士」に挑戦すると、ハードルが高い。
※ 通関士資格まで取れれば、選択肢は増えますけどね。求人情報を検索すればわかります。
その点、貿易実務検定C級は、勉強時間が短いわりに現実的かつ実用的だと言えます。
仮に、一般的なメーカーや商社で、貿易実務や海外営業部門で貿易に関わることになったとしましょう。
あるいは、派遣社員やパートタイマーで貿易をサポートする立場などでも。
その際、まずはインボイスやパッキングリスト、 B/L のもとになる S/I の記載方法などを OJT ( 実地訓練、 on-the-job training )で習得することになるでしょう。
その後、主体的に船のブッキングをかけたり、貨物の準備状況を倉庫に確認したり、と徐々に一人でできる仕事を増やしていきます。
しかし、そうして数ヶ月が過ぎたとき、それぞれの知識は「バラバラに」「有機的につながることなく」頭の中に入っていると思います。
白状すると、30歳過ぎまで、ぼくの頭の中も同様でした。
そんなタイミングで貿易実務C級の受験勉強をすれば、すべての知識が頭の中でつながります。
少し海外との仕事に慣れた、そんな若い人にも有益ですから、貿易実務検定へのチャレンジを意識してみましょう。
一気に知識が体系化され、ちょっとした例外的な事態でも「原則」や「商習慣」に従った判断ができるようになります。
また、資格を取得した状態でさらに OJT(実地) で学ぶと、順々に「知識」と「経験」がつながっていきます。
もちろん、先に資格を取得してから仕事に入れば、経験を積むスピードもあがります。
仕事に就く前に貿易実務検定C級に合格しておれば、「用語」や「定義」がすでに頭の中に存在していますからね。
その状態で OJT を受ければ、数ヶ月でそれらの知識が体系的につながる、というわけです。
どっち?|貿易実務検定C級は通関士試験より簡単なのに実用的です
通関士試験と貿易実務検定、どっちから挑戦しようか、と迷っている人もいらっしゃるかも知れません。
目的や受験地にもよりますが、難易度からいえば、先に「貿易実務検定」に挑戦することを勧めます。
通関士試験は、正直、簡単なテスト(国家資格)ではありません。
合格者の多い年で合格率が20%程度(ほとんどの年は10%を切る)、かつ年に1回しかない試験なので、合格まで数年かかるのはザラです。
一方、貿易実務検定C級の場合、通関士資格よりもはるかに学習時間が短い、というのがうれしい。
それだけ、挫折する可能性が低く、達成感を味わえる確率が高いわけです。
しかも、一般的な通関士試験講座の導入部分「関税法・関税定率法」の試験範囲は「貿易実務検定」の基礎と重なります。
通関士試験の勉強が数時間程度、進んだところで C級の問題を見たら、基礎的な内容はほぼ理解できる。
逆も同様です。
一方、「通関士試験」は貿易に関わる唯一の国家資格なので、この業界では人気がありますし、受験を検討することもたくさんいらっしゃいます。
ぼくも「通関士試験」は時間がかかりました。
4回目(4年目)の受験での合格ですからね。
とはいえ、「通関士試験」は受験料こそ国家資格なので安いものの、学習時間は貿易実務検定のC級やB級とは比較になりません。
また、鬼門(最大の壁)は3科目目の「通関実務」です。
基本的に「通関実務」は簡単に正解させる気のない科目 (^^; ですから、メーカーや商社で貿易実務に関わるのであれば、オーバースペックというか、仕事で必要な知識と範囲がずれてしまうのです。
そして、合格率も全然違います。
貿易実務検定の合格率はC級、B級とも50%前後で推移しているので、過去問の研究を中心とした独学で何とかなります。
しかし、通関士試験は、免除なしの3科目で受験するなら、20%ではなく、実質的な合格率は10%を切る、と最初から覚悟しておいた方が精神衛生上、よいでしょう。
2科目目の関税法・関税定率法の勉強を通じて、知識は増えますけどね
一般的な産業機械などの貿易であれば、自信を持って取り組めます
ですから、貿易事務、貿易実務の仕事に就きたいのであれば、「貿易実務検定C級」と英検2級、あるいは TOEIC 600程度などを取得し、実際に求人に応募してみましょう。
これが「貿易実務検定B級」と TOEIC 700 でも、おそらく待遇も仕事の内容も変わりません。
興味があるなら、貿易実務や海外営業、海外調達の世界に飛び込んでみましょう。
極めようとすると深いですけど、入るところは意外と「浅い」ですよ。
貿易実務検定B級は「管理」「企画」する人が知っておくべき内容です|過去問の入手法
貿易実務検定、受けてみようかな、という段階であれば、最初からお金をかける必要はありません。
貿易実務検定C級、B級の試験範囲と過去問(サンプル問題)がインターネットで公開されています。
貿易実務C級の範囲はきれいに事務処理が体系化されているので、日々の貿易事務で役に立ちます。
一方、貿易実務B級の範囲、問題は「貿易形態を企画、立案」、あるいは「客先との売買契約条件を交渉」する立場にある人に有益な知識です。
貿易実務や海外営業の管理職、それに次ぐポジションを目指す人に向いている試験内容です。
それでいて、B級の問題は間違い、勘違いを誘う構成なので、準備せずに受けるとかなり経験を積んだ人でも足元をすくわれます。
つまり、B級は自社の貿易の仕組みをマネージメント(管理)し、必要に応じて改善する必要がある人こそ、役に立つ内容です。
日々の船積書類作成、コンテナや在来船の予約、信用状( L/C )による代金回収などは、貿易実務検定C級の範囲の知識で十分に行えます。
困ったら、銀行の外国為替を扱う部門や乙仲(フォワーダー)と打ち合わせをすればいいんですからね。
とはいえ、バックボーンに専門用語への理解があれば強い。
貿易実務C級の範囲の知識があれば、物流関係の社外の人とも十分、打ち合わせができます。
また、インターネットで検索するにしても、貿易に関連するワードが頭の中に入っているので、答えにたどり着きやすくなります。
ですから、時間をたっぷり使って受験対策するならB級まで欲しいところですが、働きながら知識を体系化するのであれば、まずはC級で十分でしょう。
そもそも、日本の場合、貿易事務を行うのに資格も学歴も要らないのですから。
貿易実務は「一つのスキル」になります【学んだ英語も活かせます】
ここまでの内容をまとめます。
会計(簿記)や英語、プログラミングなどと同様、「貿易実務」は独立したスキルです。
最近の用語で表すなら、一種のポータブルスキル(持ち運び可能な知識や技能)でしょう。
職場が変わったり、扱う商品が変わったりしても、身につけた「専門知識」や「調整能力」はずっと先まで使うことができます。
基本的なレベルの知識や経験でも、他の分野や職場で活かしやすい。
ですから、明確に貿易に関わりたい人はもちろん、「特にやりたい仕事のイメージはわかないけど、勉強を続けてきた英語を活かしたいな」といった人にもピッタリのスキルです。
たとえば、人材派遣の PASONA で条件に「貿易実務検定C級」と入力してリアルタイム検索してみると、こんな感じです。
時期によっては「ゼロ」のこともありますが、たいてい数件はあります。
あるいは「 doda 」の求人情報なども参考になります。
ときどき大手町など都心部にある大手企業も「未経験者歓迎」で人材を募集しています。
一人で仕事を回せるようになり、さらに「貿易実務経験者」となれば仕事の選択肢は大幅に広がります。
だから、「貿易実務検定C級」の受験を目指しているなら、是非、頑張ってください。
そして、貿易実務、貿易事務、海外営業などの分野にチャレンジしましょう。
実務検定に限らず、一般的な貿易に関する質問があるなら、メールでぼく宛てに質問を送ってください。
わかる範囲でお答えしますのでね。
さて、貿易実務検定 C級や B級はどう学ぶのが無難(失敗が少ない)でしょうか?
貿易実務検定 C級 や B級はどう学ぶのが無難か?|「続く方法」が「良い方法」
自分のペースで勉強できる人なら、(特に C級の場合には)市販の書籍で十分だと思います。
貿易実務検定協会の公式テキストが発売されています。
たまに「古い版」をムチャクチャに高い値段で出品している人、お店があるので、必要な人は版と価格をチェックしてから購入しましょう。
「いやいや、本だけで勉強するのは、続かなくて……」
ぼくもいろいろと挫折してきたので、そういう気持ちも、わかります。
貿易実務の C級くらいなら、できる限り、市販の本で勉強したい。
でも、挫折するくらいなら、続けられるような工夫をしたい。
ならば、今の時代は通学(スクール)じゃなくて通信教育がおすすめです。
一般的な範囲を押さえた貿易実務講座はあまりない|ヒューマンアカデミーくらいか
カタログを無料で郵送してくれます。
「貿易実務検定」に興味があるなら、とりあえず資料請求だけしておきましょう。
というのも、「貿易実務検定 c級」って試験について調べようにも、マイナーな資格だけに出てくる情報が少なめなんですよね。
うーん、いろいろ調べてみたけど。
「貿易実務検定」の通信講座の資料請求をするなら、ヒューマンアカデミーくらいかな。
講座のパンフレット(貿易実務検定の概要など)は無料で郵送してくれます。
貿易実務検定がどんな試験なのか、勉強の進め方のヒントになるでしょう。
カテゴリー(分類)「ビジネス資格」の中にあります。
※ 貿易実務検定を「運営・実施」している(株)マウンハーフジャパンが「みずから」監修している講座です。