こんにちは。
44歳、連続4回の受験で英検1級にようやく合格した神高(かんだか)です。
英語学習教材の大手、アルクのリスニング教材の中で最も長く人気を集めているのが「アルクの1000時間ヒアリングマラソン」。
実はぼくも高校から大学にかけて、親に頼んでカセットテープ版の「ヒヤリングマラソン」を1年間、取ってもらったこともある懐かしい英語教材です。
「1000時間ヒアリングマラソン」は、学生時代に英検2級レベルから準1級レベルにステップアップする「きっかけ」をあたえてくれました。
あれ?リスニングマラソンじゃ、ないんですか?
なぜヒアリングなのか、なかなか面白い指摘ですね。
30年ほど前、ぼくが高校生、大学生の頃は、まだリスニングの教材は本もテープも CD も英語を聴きとるテストには「ヒアリング( Hearing )」と記載されていました。
ただ、1990年代でしたかね、英語学習業界から「ヒアリングテストって、聴力テストのことになっちゃうよ」と提唱して、一気に表記が「リスニング( Listening )」に変わっていきます。
比較的新しい試験 TOEIC は、当然のように「 Listening & Reading Test 」表記ですが、ヒアリングマラソンのスタートは1982年(実に、37年前)ですから、当然、「ヒアリング」という単語が用いられたのです。
これだけ長い歴史のあるベストセラー「1000時間ヒアリングマラソン」、実は時代に合わせて変化しています。
今回、大幅なリニューアルがされた、ということで、実際に試してみることにしました。
≫【公式サイト】1000時間ヒアリングマラソンについて調べる
なお、通常は1年コースで1000時間ですが、現在は6ヶ月(負荷が半分で500時間)の「ハーフマラソン」もあります。
【辛口】1000時間ヒアリングマラソンの最新情報を本音でレビュー|アルク英語教材のベストセラーへの感想
最新の「1000時間ヒアリングマラソン」は、どのような教材か。
ヒアリングマラソンの2021年4月号が手元にあるので紹介していきましょう。
リニューアルされた1000時間ヒアリングマラソンには CD すら無い
さすがに、最新版のヒアリングマラソンにカセットテープは使われていませんが、実は CD も添付されていません。
というのも、スマホでも使えるアルク受講生専用サイト「テストコ」に音声データが集められているからです。
ヒアリングマラソンの教材は、オンライン上の音声データ(アプリ付)と毎月、新しい話題を提供してくれる冊子とで構成されています。
おかげで、教材を「保管する」ことよりも「使う」ことに集中できます。
2021年4月から新しいコーナーが始まっている|定番はそのまま残ります
ヒアリングマラソンはコンテンツ(学習内容)の見直しも行われていて、2021年4月から3つの新コーナーが始まりました。
- 標的(ターゲット)リスニング
- ビジネストークの泉
- Dr. Colin のお悩み相談室
たとえば、「標的リスニング(Targeted listening)」は初級(40分)、中上級(80分)で構成されるリスニング素材&ワーク集です。
ある一定のテーマで構成された短文、長文について細かい、意味を理解しているかどうかを問う設問が用意され、最終的には音声で文章を再現できるかどうか、というテストまであります。
たとえば、4月号であれば「外国語の学習」と「認知力(cognitive ability)」の関係、という大テーマでリスニング素材が構成されていますから、語彙(ボキャブラリー)も増やしやすい。
もちろん、かなり古くからある人気コーナー「シネマ試写室」や読者参加型のチャレンジ企画「ディクテーション・コンテスト」「マンスリーテスト」などは、変わらず継続されました。
マンスリーテストの一部が TOEIC L&Rテストのリスニングセクションに出題内容を寄せたり、といった改善(マイナーチェンジ)は行われていますけど、変わらない良さもある。
相変わらず、魅力ある手間のかかったコンテンツが収録されています。
現在の「ヒアリングマラソン」の価値は、「オンラインサービス」と「マンスリーテスト」にある
ここで、教材冊子の中身(2021年4月版)を紹介しておきましょう。
最初のグループが主要コンテンツで、残りは初学者向けの案内、そして受講者向けの学習サポート関連です。
英語スケッチング
気になる話題でトーク!
ターゲット(標的)リスニング
ニュースの斬り方
ビジネストークの泉
シネマ試写室
ドクターコリン(Dr. Colin)のお悩み相談室
ディクテーションコンテスト
マンスリーテスト HEMHET
自分一人で出来る五つの定番トレーニング
HM ナレーション
ランナーズ交差点
学習カレンダー
トラックリスト
HEMHET 成績優秀者
1000時間達成者
現在の「ヒアリングマラソン」の価値は、「オンラインサービス」と「マンスリーテスト」にあります。
受講したことがない方が、時々勘違いされているのを見聞きします。
「ヒアリングマラソン」は同じ音声データを繰り返し「聴く」のではありません。
お経じゃあるまいし、そんな修行をしても苦しいばかりでしょう。
リスニングマラソンが提唱するのは、自分が興味を持っている動画( TED や Youtube など)やネット上の教材も含めて、能動的なアプローチで「1年で1000時間を達成しましょう」ということなのです。
たとえば、このような記事から「無料のリスニング教材」を探せば、いくらでも生の英語に触れる機会はあります。
ただ、いくら良い教材が見つかっても、「始めて」「続かなければ」何も変わりません。
アルクが用意してくれる「モチベーション維持」のためのサイクルは、以下のようになっています。
- 毎月初めから9日頃:教材到着
- 毎月10日頃:電子版のダウンロード(専用サイト テストコ)~学習開始
- 毎月25日締め切り:「ディクテーション・コンテスト」
- 毎月9日締め切り:「マンスリーテスト HEMHET」提出
「ディクテーション・コンテスト」も「マンスリーテスト HEMHET 」も、成績優秀者は「マンスリーテキスト」の中で発表されます。
これは励みになるでしょう。
それから、1000時間達成者も同じく「マンスリーテキスト」の中で掲載され、称え(たたえ)られます。
留学せず、仕事上もあまり英語を使う機会はないけれど、英語を独習して準備しておきたい。
そんな英語学習を続ける中級者・上級者の気持ちを応援する仕組みが、1982年から続く「ヒアリングマラソン」の中にはあります。
ヒアリングマラソンのお試し版でレベルチェックはできるけれど……|デメリット
正直、「ヒアリングマラソン」の英語レベルは、低くありません。
難しいです、実際のところ。
だから、誰にでもオススメできない、というのがヒアリングマラソンの「デメリット」でしょう。
この教材を「初心者でも可」「中学英語から学べる」なんて評価はできません。
たとえば、ぼくが関わっている「貿易実務」の世界における「仕事で英語ができる平均的なレベル」よりも明らかに高い。
ヒアリングマラソンは、英検なら2級を取れるか取れないか、TOEIC なら600点ないと、そこかしこの単語や表現でひっかかるので記事を楽しめないと思います。
では、やっても意味ないのか、といえば、そんなことはない。
逆にいえば、25年前のぼくのような状態、英検準1級、1級とレベルアップしていきたい段階の人には、おすすめできます。
となると、実際にレベルチェックをしたくなります。
そんな人のために、550円(税込)の「ヒアリングマラソン体験キット」をアルクは販売しています。
このお試し版、「1000時間ヒアリングマラソン」の本コースを受講するときに使える「500円割引クーポン」が付いてきます。
「続けられそう」と直感的に思えるものは、たぶん、続けられます。
英語学習を続けられるなら、なんだってかまわない
最近のアルクには発話を鍛える「トーキングマラソン」とか、スマホを使った新しい英語学習サービスのイメージがあるだけあって、進化しています。
継続するための工夫、とでも言いましょうか。
気軽に教材にアクセスできることが価値であって、CDやカセットテープ自体にメリットがあるわけじゃないですからね。
英語の学習にしても何にしても、長く続けられるなら、いつか形になります。
良い習慣を続けられるなら、どんな方法だって、かまわない。
毎日、3時間も英語学習を続けられるなら、誰も苦労はしません。
続けられるなら、苦しいときは1時間、いや、30分でもいいのです。
ぼくが「英検1級」に合格したのは、昨年秋(44歳)のことです。
TOEIC 900点を超えたときも、すでに30歳を過ぎていました。
数あるアルクの英語独習教材の中で、ずば抜けてロングセラーの「1000時間ヒアリングマラソン」。
「継続のための工夫」が満載(まんさい)です。
これなら続けられそうだ、と思えたなら、試してみましょう。
そして、あなたが望むなら、1年後に「ヒアリングマラソン」は卒業です。
自分のペースで1年間も続けられるなら、すでに自分で教材を選べるようになってますから。