【貿易】INCOTERMS 2020(インコタームズ 2020)一覧【最新版】

インコタームズ2020表紙貿易実務・事務処理

インコタームズ(INCOTERMS)とは、国際商業会議所(ICC = International Chamber of Commerce)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則(International Commercial Terms)のことで、ICC の登録商標です。

一番有名なのは FOB と CIF。聞いたこと、ありますよね?

その最新版、インコタームズ 2020( INCOTERMS 2020 )の発表(プレスリリース)は2019年9月10日(火)でした。

ただ、ICC (国際商業会議所)のウェブサイトを訪問しても、INCOTERMS 2020の詳細や FOB、CIF に何が加わり、何が削られるかまでは書かれていませんでした。

そこで、英語版の電子書籍を購入して、概要を順に整理していくことにしました。

まず、ICC の意図に沿った順で三文字で表される見出しを用意し、解説を加えて充実させていきます。

 

神高
神高

表面上の大きな変更は「 DAT の廃止 」DPU の新設です。

ただ、ルールが発効し、契約書などで使えるようになるのは2020年1月ですから、貿易実務に関わる読者の方はあせらなくとも大丈夫です。

 

ちなみに、INCOTERMS 関連の書籍や壁紙はこちらの ICC 公式ショップで購入しました。

おおむね、英語かフランス語版のみ。書籍の価格も40ユーロ以上ですので、用事もないのに買う必要はありません。日本語版が出るまで待つのが得策です。

ぼくは電子版の書籍と印刷物のポケットリファレンスを買いました。

英和対訳版は「10月末頃を予定」と ICC の日本委員会で紹介されています。

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インコタームズ2000年版、2010年版、2020年版の簡単な比較表を作りました|2019年10月6日追記

インコタームズ2000年版、2010年版、2020年版の簡単な比較表を作りました。

インコタームズ2000,2010,2020比較表

エクセルファイルはこちらです。

個人で契約しているマイクロソフト Office 365 の OneDrive と エクセル(URL は同じくマイクロソフトのシェアポイント形式)を使っています。

クラウド経由でシェア(共有)しているので長い URL になっていますが、怪しいリンクではありません。

スマホのブラウザでもリンクがわかっていれば読めるので、適当にブックマークするなりしてご活用ください。

神高
神高

誤りやコメントなどあれば、ブログ上部の「お問い合わせ」、Twitter などからお願いします。

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大分類は 「なんでも使える三文字」と「在来船を使う海上輸送専用の三文字」

International Chanber of Commerce (国際商業会議所)は、ここ何十年も「 FOB 」や 「 CIF 」を在来船(貨物船)専用にし、コンテナ船や航空機、陸送も含んだ複合輸送などでは別の略語「 FCA 」や 「 CIP 」を普及させようと努めてきました。

ですから、今回の INCOTERMS 2020 を解説する書籍でも、以下の順番で説明がなされています。

  • なんでも使える三文字:7種類(EXWFCACPTCIPDAPDPUDDP
  • 在来船を使う海上輸送専用の三文字:4種類(FASFOBCFRCIF

一番有名な「 FOB 」と「 CIF 」を最後に登場させ、切り替えが進むように仕向けているわけです。

 

神高
神高

とはいえ、コンテナ船による輸送では、これからも FOB や CIF が使われることでしょう。あまりに有名なのと、商習慣として定着してますから。

 

11種類を調査しておくにしても、この「大分類」を意識しておけば理解が進むでしょう。

途中のコーヒーブレイクまで7種類を一気に解説して、後半で「従来型の」4種類を紹介します。

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EXW: Ex Works(イーエックス ワークス)

EXW = Ex Works は「イーエックス ワークス」と読みます。

従来からの日本語訳は「工場渡し」。

通関も何も売主はしないので、当然ながら在来船(貨物船)だけでなく、コンテナ船、空輸、複合輸送にも使えます。

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FCA: Free Carrier(フリー キャリア)

FCA = Free Carrier は「フリー キャリア」と読みます。

従来からの日本語訳は「運送人渡し」。

FOB の後継者として頑張っていますが、まだまだ世間では認められていません。

在来船(貨物船)だけでなく、コンテナ船、空輸、複合輸送にも使えます。

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CPT: Carriage Paid To(キャリッジ ペイド トゥ)

CPT = Carriage Paid To は「キャリッジ ペイド トゥ」と読みます。

従来からの日本語訳は「輸送費込み」。

CFR (= C&F <非公式>)の後継者。

Carriage は 運賃を指します。CIF の「 Cost = コスト」と違うことは意識しておきましょう。

在来船(貨物船)だけでなく、コンテナ船、空輸、複合輸送でも使えます。

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CIP: Carriage and Insurance Paid To(キャリッジ アンド インシュランス ペイド トゥ)

CIP = Carriage and Insurance Paid To は「キャリッジ アンド インシュランス ペイド トゥ」と読みます。

従来からの日本語訳は「輸送費保険料込み」。

CIF の後継者として頑張っていますが、FCA 同様にまだまだ世間には知られていません。

Carriage は 運賃を指します。CIF の「 Cost = コスト」と違うことは勘違いしやすいポイントです。

在来船(貨物船)だけでなく、コンテナ船、空輸、複合輸送でも使えます。

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DAP: Delivered at Place(デリバード アト プレイス)

DAP = Delivered at Place は「デリバード アト プレイス」と読みます。

従来からの日本語訳は「仕向地持込渡し」

INCOTERMS 2010(2010年版のインコタームズ)にあった DAT (= Delivered at Terminal) が廃止されたので、実務上、DAT を補完(穴埋め)するのは DAP と次の DPU になります。

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DPU: Delivered at Place Unloaded(デリバード アト プレイス アンローデッド)

DPU = Delivered at Place Unloaded は「デリバード アト プレイス アンローデッド」と読みます。

日本語訳は、まだありません。

神高
神高

新しいコンセプトだけに、うまい訳が頭に浮かんできませんね……。

DDU と似せて「~〇〇抜き」表記だとおかしいし。

DPU は従来のインコタームズ 2010( INCOTERMS 2010 )にはなかった新設の「三文字」です。

Load は「積み込み」ですから、逆に Unloaded は「荷揚げ、荷下ろし」を意味しています。

2000年版にあった DDU の Unpaid (アンペイド)と勘違いしやすいから注意しましょう。

ざっくり言えば、「売主」が「荷下ろし」までの「運賃」と「危険( risk )」を負担する条件です。

 

神高
神高

Un- で始まるから「何かをしなくても良い」のかと思ったら、逆に「降ろす義務」があるというのが今までにない斬新さ。

その分、混乱を生みそうですけど。

 

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DDP: Delivered Duty Paid(デリバード デューティー ペイド)

DDP = Delivered Duty Paid は「デリバード デューティー ペイド」と読みます。

従来からの日本語訳は「関税込持込渡し」

「DHL や FEDEX の Door to Door 」や「コンテナ丸ごと現地倉庫まで手配する」イメージです。

ただ、ここまでの条件と違って「売主が輸入国の通関まで手配すること」という条件になっています。

となると、現地法人、あるいは代理店(ディストリビューター)がなければ、非常に複雑になります。INCOTERMS の公式な解説書の中でも「輸入通関ができないなら、DAP、DPU を使いましょう」と書かれています。

 

ロールケーキ

神高
神高

ここで一区切り、お疲れ様です。(食べたくなってきたな……)

このあとはコンテナ輸送や航空便で推奨されない「古参」たちです。

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FAS: Free Alongside Ship(フリー アロングサイド シップ)

FAS = Free Alongside Ship は「フリー アロングサイド シップ」と読みます。

従来からの日本語訳は「船側渡し(せんそくわたし)」

Ship という名の通り、船(貨物船、在来船)専用です。

航空機やコンテナ船で使うことは想定されていませんし、物理的に不可能です。

「船(飛行機)の横までは持っていくから、あとはお願いします」という条件を飛行機やコンテナ船はOKできないでしょう?

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FOB: Free On Board(フリー オン ボード)

FOB = Free On Board は「フリー オン ボード」と読みます。

従来からの日本語訳は「本船渡し(ほんせんわたし)」

Board は船の甲板(かんぱん、船内で貨物を置く場所)を指します。

現在、航空機やコンテナ船で使う時、実務上は「 FCA と同等」と読み替えられています。

ちなみに、「本船(ほんせん)」は「海外に向かう船」を指していて、「はしけやバージ」「国内輸送のための小さな船」ではないよ、ということを強調しています。

「え? 甲板渡しって、はしけの甲板のことじゃないの?」なんて、おかしな主張する人が出てこないとも限らないので、伝統的にこの訳が当てられています。

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CFR: Cost and Freight(コスト アンド フレート)

CFR = Cost and Freight は「コスト アンド フレート」と読みます。

従来からの日本語訳は「運賃込み(うんちんこみ)」

いまだに船積書類で見かける非公式の略語「 C&F 」と同じ意味で使われていていて、「 CIF の保険なし」版です。

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CIF: Cost Insurance and Freight(コスト インシュランス アンド フレート)

CIF = Cost Insurance and Freight は「コスト インシュランス アンド フレート」と読みます。

従来からの日本語訳は「運賃保険料込み」

ここで Cost は「 FOB までの費用」を指します。

「 FOB 費用を払ったあと、さらに保険、海上運賃も買主が負担」という条件です。

すべての「三文字」の中で、最も使われていて世間での知名度もあります。

宅配便や郵便小包でいうところの「運賃元払い」なので、とても使いやすいんですよね。

 

神高
神高

「運賃着払い」って、使える人や貨物は限定されるでしょう?

FOB も同様です。船会社が「 CIF じゃないとダメ」といえば使えません。

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まとめ:一度におぼえる必要なし|よく使う条件から理解していきましょう

最後に、INCOTERMS 2020(インコタームズ2020)の全11種類をあらためてご紹介しておきます。

 

  • なんでも使える三文字:7種類(EXWFCACPTCIPDAPDPUDDP
  • 在来船を使う海上輸送専用の三文字:4種類(FASFOBCFRCIF

 

もちろん、一度に憶える必要はありませんし、これからも知名度が圧倒的に高い FOB や CIF が幅を利かせることでしょう。

最初は、あなたの職場でよく使われている条件から順に理解していけば OK です。

廃止されたり、統合されたりで記憶するのが難しくなっていますからね。

 

本日はお越しいただき、ありがとうございました。

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神高
神高

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