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貿易実務の仕事に配属されたら意識したい3つのこと|新入社員向け、あるいは未経験で転職された方向け

貿易実務・事務処理

こんにちは。とある貿易実務に20年超、関わっている神高(かんだか)です。

貿易実務や海外営業の仕事に携わる日々ですが、ときに若い人の相談に乗ることもあります。

貿易実務で意識しておいたほうが良いこと、気を付けることなど。

「貿易」というぐらいですから、取引相手は海外、外国の方なわけで、国内の取引にはない悩みもあります。

ということで、そんな時アドバイスする3つの視点についてお話しします。

神高
神高

今回は、新入社員や未経験で転職された方向けのお話ではありますが、ちょっと経験を積んだ方にも、気づきがある、かも知れません。

貿易実務の仕事に配属されたら意識したい3つのこと

新人の方、転職で仕事を変わった方向けの内容ではありますが、ぼく自身、ときどき思い返したい内容でもあります。

①多くのやり取りは QCD(品質、価格、輸送・納期)に関わること

ほとんどのやり取りは QCD(Quality, Cost, Delivery) の範囲にとどまるので、英語を使うなら、その範囲の語彙や表現に慣れましょう、というのが一つ目のアドバイスです。

なぜなら、貨物を輸出する、あるいは輸入する相手は、特定の製品や商品を引き渡ししたい、というお互いの目的の中で動いているからです。

別に、英会話で、サッカーの話をしたいわけでも、現地で流行っている食べ物の話題を出したいわけでもありません。

だから、貿易実務の中で英語を使うにしても、表現や語彙は非常に限られてきます。

また、電子メールも、箇条書きをうまく使ったり、””(ダブルクォーテーション)で協調したりと、書き方を工夫することで、相手に伝えたいことを確実に伝えられます。

そのためには、シンプルな英語表現を心がけるとともに、自分が扱う商品、製品の英語表現や貿易で使われる用語(INCOTERMSETD, ETA など)も優先して学びましょう。

②法人が相手であれば、先方にも上司がおり、税関もいること

フィーダーコンテナ船

法人(会社)と取引するなら、相手にも上司がおり、その先には税関もいる、ということを意識しましょう、というのが二つ目のアドバイスです。

会社が相手、ということは、取引先もメーカーや商社なわけで、つまりは大量の製品や原料を輸出入しているわけです。

だから、自社と同様に、先方にも同僚や上司がおり、何か問題があれば社内で検討がされていることに想像力を働かせるべきでしょう。

となると、たとえば納期・スケジュールの変更を申し入れるのであれば、もっともらしい(ウソではない程度の)理由も伝えると、先方の社内調整がしやすくなります。

部下は上司に説明するときに、背景が必要になるのは想像がつくでしょう?

さらにいえば、日本と同様、相手の国の税関が輸入許可、輸出許可のカギを握っていることにも意識を働かせたい。

だから、メール本文だけではなく、必要であれば図面やパーツのリスト、カタログを送付する、といったことが現地の協議を簡単にしてくれる可能性はあります。

相手は人間なので、「これさえあれば納得してくれる」という材料が「人によって違う」というのは普通にあることですから。

③1年程度の実務経験でも、社内の専門家になれる可能性があること

1年程度の実務経験でも、社内(自社)の貿易実務の専門家になれる可能性がある、というのが3つ目のアドバイスです。

もちろん、月に1回しか輸出しない、なんて仕事だと無理ですが、週に数便の輸出をしている、なんて状態であれば、すぐに貿易実務で頼りにされる存在になれます。

というのも、扱う製品や商品が一定のモノに限られ、取引相手も何百社も(多くの場合)ないからです。

たとえば、産業用のモーターを輸出しているなら、類する製品、あるいは金属製の部品などを扱うにとどまるはずです。

同じ人が冷凍食品を輸出したり、中古の衣類を輸入したりする機会はないでしょう。(フォワーダー、乙仲はありますよ)

だから、サイクルにもよりますが、1年も実務経験を積めば、社内でもかなり貿易に詳しい人になることができます。

そこまで到達できれば、自己肯定感も得られますし、何より会社に貢献できている感覚を持てるでしょう。

貿易実務の仕事に配属されたら意識したい3つのこと

ここまでの内容をまとめておきます。

貿易実務の仕事に新しく就いた人に向けてのアドバイスを3つ、書いてきました。

せっかく、新しい仕事に挑戦する機会を得たわけですから、是非、前向きに数年は続けてみて欲しいと思います。

特に、中小企業であれば、まだまだ海外に関わる人は限られていると思います。

「勉強した英語を仕事でも使いたい」という若い方を見かけますが、その意味では、貿易実務はまたとないチャンスだと思います。

そのうち、海外から来客があれば相手をしたり、商談のために海外出張をしたり、という機会に恵まれるかも知れません。

ここで想定しているような「一定の貨物」を「特定の顧客」に輸出して代金回収をする、といった仕事であれば、TOEIC LR 600 点くらいでも始められます。

日常業務になれば、いろいろ面倒なこと、困ったことは出てきますが、それでも仕事を通じて、お金をもらいながら英語も学べる、なんて、ありがたい話じゃないですか(笑)。

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