【貿易】TO ORDER の意味と L/C(信用状)|オーダーは注文じゃない

裏書き署名、サイン貿易実務・事務処理

貿易実務に関わっていると、「船荷証券( B/L )を”MADE OUT TO ORDER AND BLANK ENDORSED” で発行せよ」と書かれた信用状( L/C )を受け取ることがあります。

 

神高
神高

今回、ちょうどそんな書類を受け取られましたか?

 

「ENDORSED = 裏書き、是認する」以外は簡単な単語が並んでいるのにさっぱり意味がわかりませんよね?

慣れるまで、ぼくもそうでしたから、気持ちはよくわかります。

今回はそんな条件が付けられた信用状の意図するところ、目的を一緒にみていきましょう。

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TO ORDER の意味と L/C(信用状)|オーダーは注文、じゃないですよ

営業、あるいは貿易実務などいわゆる売買、ビジネスをしている人にとって ORDER(オーダー)は決して不慣れな単語ではありません。

注文、順番などの意味で日常的に使います。

ただ、ここでの「 ORDER 」は「指図(さしず)」「支払指図(しはらいさしず)」と訳されるもので、「お金を支払う先」を意味しています。

それが、この文章をわかりにくくしている大きな原因です。

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ENDORSEMENT(エンドースメント)は「証券の裏書(うらがき)」です

あらためて、L/C(信用状)に書かれた”MADE OUT TO ORDER AND BLANK ENDORSED” を分解してみましょう。

  • “MADE OUT” は「船荷証券を(このように)発行してください」という意味です。
  • “TO ORDER” は 船荷証券の「 consignee 」(荷受人)欄に “TO ORDER” と書くことを求めています。でも、その陰には「 TO ORDER (OF 誰それ) 」 が隠れています。
  • “TO ORDER OF 誰それ” は「誰それが指図(指名)する人宛て」という意味です。
  • “BLANK” は「(裏書きしたときの)宛名を空欄にする」、つまり、宛名を指名せず所有権を放棄の意味です。
  • “ENDORSED” は「裏書きする」という意味で、書類の裏に本当に「サイン」をします。約束手形の裏書と同じく、「所有権の放棄、すなわち譲渡をの承」を意味しています。

L/C を使わない貿易では、船積を終えて B/L(船荷証券)を受け取った Shipper (売主)が一旦、貨物の所有権を持ちます。

でも、L/C は「2つ以上の銀行が仲介する支払い処理」ですから、Shipper(売主)が所有権を持ったままでは銀行は代金を売主に支払えませんよね?

だから、船荷証券の裏面に荷送人が白地裏書(しろぢうらがき、blank endorsement、宛名を書かずに署名だけ)をすることで、所有権を移転(売主に放棄)させるのです。

そのあとは銀行は貨物を自行の管理下に置けますから、たとえば担保の設定もできるようになりますし、それはすなわち「買主に対して貨物を引き渡す条件を付ける」ことに他なりません。

結果、信用状の要求に従って銀行に提出する為替手形(かわせてがた、Bill of Exchange )の「買い取り」や「取り立て」ができるようになるのです。

 

神高
神高

このあたりは日商簿記などの会計関連資格では良く出される論点です。

あるいはマンガ「ナニワ金融道」で勉強しても面白いですね。

 

本格的に勉強したい人は簿記の参考書の「約束手形」「為替手形(かわせてがた)」あたりを参考にしてください。

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船荷証券( B/L )の Consignee (荷受人)欄が “TO ORDER” になります

古いタイプライター

L/C (信用状)の要求に従って発行された船荷証券( B/L )の consinee (コンサイニー、荷受人)欄は “TO ORDER” や “TO ORDER OF SHIPPER” で始まる文言が書かれることになります。

そのたぐいの B/L のオリジナルを3通とも郵送( DHL や FEDEX )で売主から受け取ったとしたら、その相手は L/C (信用状)のことをよくわかっていません。

急いで協議し、必要に応じて書類を売主に送り返しましょう。

consignee 欄が「買主」「輸入者」となっている船荷証券( B/L )でも貨物は受け取れますが、L/C (信用状)の条件は永遠に満たされない(ディスクレ確定!)ので、後でたいへん面倒な「手続きのやり直し」が待っています。

 

神高
神高

なお、買主が意図して BENEFICIARY CERTIFICATE を使い、先に1通の B/L を受け取るのは、L/C 取引といえども問題ないですよ。

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まとめ:TO ORDER OF BANK なら「売主が裏書き」してはいけません!

L/C(信用状)の中には、「 TO ORDER OF 〇〇 BANK 」などと初めから「銀行が指図する」船荷証券( B/L )を求めるものもあります。

その時は、売主( Shipper )は裏書き( endorsement )をしてはいけません。

L/C(信用状)に「指図するのは 〇〇 BANK」と書かれているのですから、裏書きするのも「〇〇 BANK」なのです。

 

神高
神高

ただ、このあたりは自信を持って判断するのは難しいですよね?

何百件と処理してきた自分でも不安になる時がありますから

 

だから、心配であれば銀行の外為(外国為替)部門に恥ずかしがらずに聞いてみましょう。

会計の基礎的な知識を徐々に仕入れていけば、理解が深まります。

 

神高
神高

貿易実務では、日商簿記3級程度(学習時間20時間~)の知識でも大いに役に立ちますよ。

とりあえずの一冊なら、こちらです。

滝澤ななみ先生が書かれる本は、いずれも女性の学習者に向いています。

(中身を見ると意味がわかっていただけます。可愛いイラストや図が満載なのに「本格派」です。)

なお、最近、日商簿記は出題形式が大きく変わっているので参考書も最新版を買ってください。

定価1,100円(税抜き)です。

カミさんが日商簿記3級の準備をするのに使ったこのシリーズの問題集が手元にありましたのでご参考まで。

おかげさま(?)で、日商簿記3級に合格できました。2級は少し休んでから、と申しております。

みんなが欲しかった簿記の問題集3級

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