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【疑念】通関士の資格は就活に役立つのか?|就職活動に使いにくい3つの理由とは

貿易実務・通関士試験

こんにちは。

とあるメーカーで海外営業に関わって20年超の神高(かんだか)です。

通関士資格を働きながら取っています。

先日、就職活動(就活)をひかえた大学生の方から「通関士資格に合格したのですが、就活に役立ちますか?」との質問をメールで頂きました。

かなり慎重に考えたのち、「通関士資格を就活に活かすのは難しいと思います。なぜなら……」と返信しました。

ぼく自身は通関業者に勤めているわけではなく、メーカーで貿易実務、海外営業に就いている立場です。

その上で、就職活動に通関士資格を活かしにくい理由を伝えました。

地方都市のメーカーに勤めながら、乙仲(通関業者、フォワーダー)や商社と接している立場からの一個人の意見としてお読みください。

通関士の資格は就活に役立つのか?|就職活動に使いにくい3つの理由とは

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就職活動に通関士資格は使いにくい。

そう考えた理由は3つあります。

通関士資格にこだわりすぎると選択肢が狭くなるから|理由その1

通関士資格にこだわりすぎると、選択肢が狭くなるから。

これが最初の理由です。

日本の企業は、今も昔も新卒の学生をとても大切にします。

この状況を「新卒カード」なんて揶揄する人もいますが、ぼくは一定の意義を認めています。

というのも、ぼく自身、転職後に実感しましたが、1社目の就職先には特別な愛着がわくからです。

雇う側からみれば長く勤めてくれる可能性が高くなる。

働く側からみても、積極的に何かを学び取ろう、という意欲が湧いてきます。

しかも、正しい言い方かどうかわからないのですが、1社目の就職先は何というか「下駄をはいた」状態で評価してくれます。

実力以上の評価をしてくれる分、就職活動中も選択肢がかなり広いわけです。

もし、あなたが学生なら、通っている大学、スクールの就職課をたずねてみてください。

OB の就職先が大体わかります。

そして、その中に自分が希望する業種があれば、その会社の一員になる可能性がある、ということでもあります。

通関士資格があるからといって、就職先の候補を絞るのはもったいない。

仮に、通関士資格に大学生のうちに合格しているとしても、です。

通関士資格は働きながらでも取れる難易度の資格だから|理由その2

理由の二つ目、それは「通関士資格は働きながらでも取れる難易度だから」です。

通関士試験の合格には、一般的に350時間程度の勉強が必要とされています。

一日1時間なら1年、2時間なら半年、その程度の何度、というわけです。

もちろん、合格率が10%、高い年でも20%程度ですから、350時間使えば必ずパスできる、というわけでもない。

しかし、働きながらでも、それくらいの時間は確保できるでしょう。

1年が無理なら2年、3年と自分でペースを調整すればいい。

しかも、新卒の社会人は配属先、職種によっては先に学ばなければならないことが出てきます。

となると、通関士資格にチャレンジするのは少し先でも構わないわけです。

1年に1回しかない試験なので、合格まで複数年かかることはあり得ます。

とはいえ、ぼくみたいに4年かかったとしても、社会人生活は長い。

25歳から始めても30歳までには受かりたいな。

それくらいの心持でも、30歳前後に合格できたならまだまだ若いし、長く活かせます。

採用する側の担当者(特にメーカー、商社など)の認知度が低いから|理由その3

採用する側の担当者(特にメーカー、商社など)の認知度が低い、というのが3つ目の理由です。

通関士試験について詳しく調べて勉強を始めると、いかにも知名度のある資格のように錯覚します。

しかし、メーカーや商社の人はほとんど通関士資格を知らないか、意識していません。

ましてや、どの程度の難易度なんか、知らないでしょう。

人事部など、採用部門の担当者であっても、事情は同じです。

ですから、学生の間に通関士資格を取ったとしても、通関業者を除けば、あまり高く評価してくれません。

となると、難易度は低いものの、日商簿記3級などを取得しておく方がマシかも知れない。

簿記3級なら、20時間から50時間くらいの学習時間で合格できますからね。

また、簿記3級までなら、ほとんど費用をかけずにテキスト(教材)を入手する方法もあります。

知り合いが勤める財閥系の大手企業は、新入社員全員に日商簿記3級の合格を必須としていると聞きました。

たしかに、どんな部署に勤めていても、簿記3級の知識は役に立つでしょうね。納得です。

通関士の資格は就活に役立つのか?|就職活動に使いにくい3つの理由とは|まとめ

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ここまでの内容をまとめておきましょう。

就職活動に通関士資格は使いにくい、というお話でした。

じゃあ、通関士試験に将来性はないのか、といえば、それも違います。

特に、メーカーや商社で海外営業や海外調達、貿易実務に関わる人、海運や空輸を含む国際物流に携わる方であれば、学ぶ価値のある資格です。

何というか、貿易周辺の知識は煩雑で学びにくいですからね。

インターネットで検索するにしても、業界の用語、ジャーゴン(専門用語)を知らないと情報にたどり着けません。

貿易、通関周辺の用語や法律、ルールなどを体系的に学べるのは、通関士の資格くらいでしょう。

とはいえ、通関士資格に合格したとしても、過大な期待をするのは「どうかな」と思います。

専門分野に限らず、ある程度、仕事を覚えて周りの人に(なんとか)一人前と認めてもらうのに350時間ってことはないですよね?

社会人の方なら、わかっていただけるのではないでしょうか?

1日4時間をメインの仕事に使うとして、その仕事を1年で身に付けられるなら4時間x250日=1000時間を投入しているわけです。

つまり、はたから簡単そうに見える仕事でも、それくらいの時間を使って人は身に付けていきます。

350時間程度の学習が目安とされる資格試験(ペーパーテスト)に、過大な保証を期待するのは無理がある。

その意味では、英語や会計、その他の知識と組み合わせていく、くらいの価値観で広く学んでいく方が、心の負担も軽いのではないでしょうか。

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