2001年12月に松井証券の松井道夫社長が出されたビジネス書のタイトルです。
こんにちは、神高(かんだか)です。
岡山で会社員をしながら、ブログを続けています。
当時、27歳だったぼくは、新卒で入ったメーカーで国内向けの営業をしていました。
そんなある日、東京都内の書店で手に取った「不可思議な題名」のビジネス書。
そのあと、ぼく自身は転職して貿易実務、海外営業などを経験し、メーカーで主に輸出を生業(なりわい)とするようになるのですが、いまだに日々の仕事の中で、この本を思いだします。
というのも、松井社長が 「日本郵船( NYK )出身」だからです。
松井道夫社長とNYK|松井証券コールセンターの評判は?~その原点
おそらく、松井道夫(まついみちお)社長の中で「日本郵船( NYK )」に居られたころの経験が、いまだにご自身の中で大きいのだと思います。
2019年1月、「年頭のあいさつ」でも、そのことに触れておられます。
バブル真っ盛りの1987年に郵船を辞めて松井証券に娘婿として入りました。その頃はまだ対面型証券会社で、社内でも有数の歩合外務員さんに聞きました。
「あなたの売りは何ですか?」
さて、ぼくの(そして、あなたの)「売り」は、何でしょうか?
松井道夫社長が「あの」松井証券の社長になられるまで
奥様のお父様が経営されていた「松井証券」を引き継ぎ、護送船団方式と言われていた証券業界で「インターネット取引」を他社に先駆けて導入されたのが、松井道夫社長。
まもなく信用取引で業界トップになり、大正7年創業の松井証券が創業83年目にして東証一部上場を果たす、という「マンガのような」ことを成し遂げられます。
また、その成功は一時的なものではなく、ネット証券会社が乱立した現在でも、SBI 証券、カブドットコム証券、楽天証券、マネックス証券と常にトップ5を争う規模を保っています。
このような事情をご存じない方は、「松井証券」という名前から、何となく「古風」で「保守的」なのではないか、との印象を持たれるかも知れません。
しかし、実はもっとも「先進的」で「前例にとらわれない」経営手法を取ってこられた証券会社なのです。
松井道夫社長の印象的な言葉:「虚業」と「実業」
当時、著書の中で、とくに強烈に印象に残ったのが、「虚業」と「実業」に触れられている部分です。
- 虚業(きょぎょう):お客様が認めないコストで成り立っている事業
- 実業(じつぎょう):お客様が認めるコストで成り立っている事業
「虚業」、なんと過激な表現でしょう。
「売り物でないもの」「その価値がないもの」を「売っている」ことを「虚業」とおっしゃっているのです。
まだ会社を率いたばかりの「若き」松井社長は「対面営業は虚業だ」と考えて、「これからは対面営業を一切やらない」と社内に通達してしまいます。
この場面は、つらいですね。想像するだけで。
ぼくだって、いまは40代も半ばの「営業マン」です。20代とは違い、心にグサリと刺さります。
もし、自分より若い社長に「対面営業は虚業だ」なんて言われたら、気持ちを保てるかどうか……。
先ほどの「あなたの売りは何ですか?」とあわせて考えるとき、自分は果たして「実業」をお客様に提供できているのか、とあらためて考えざるを得ません。
松井道夫社長の言葉ではない「おやんなさいよでもつまんないよ」
とはいえ、考えこんでばかりいても、何も解決しません。
ですから、「おやんなさいよでもつまんないよ」を時々読み返して、日々の仕事に取り組んでいます。
気になる方は、松井社長の過去の年頭のあいさつをお読みください。
「おやんなさいよでもつまんないよ」のエッセンスが詰まっています。
……
出版から20年が経とうとしていますので、どうか「最大のネタバレ」、ご容赦ください。
実は「おやんなさいよでもつまんないよ」は、松井社長ご自身の言葉ではありません。
娘婿(むすめむこ)として松井証券の後継者になろうと決め、そのことを義理のお父様にお伝えしたときに「言われた」言葉です。
その時、松井社長は逆に「それならおもしろくしてやろう」と意気込みます。
そして、様々な改革に取り組んだ結果、今の「松井証券」があるのです。
- 何度も読み返すビジネス書:【書評】ビジネス書の古典的名著|長く影響を受けている3人の先輩
2019年8月14日追記:対面営業は廃止してもコールセンターは超一流
松井証券の検索をしたからでしょうか。
ネットのニュース記事で入ってきた「プレスリリース」にこうありました。
HDI-Japan主催 2019年度問合せ窓口格付け(証券業界)~最高評価の「三つ星」を9年連続で獲得!~
- お客様とのコミュニケーションの場である「問合せ窓口」
- Webサイトのサポート性を見る「Webサポート」
それぞれの部門で最高評価「三つ星」獲得が9年続いているのは、インターネット証券の中で「松井証券」だけ、とのこと。
何かを捨てて、何かを守る。
日々のことですし、なかなかできることではないですよね。
同じく「企業」で働く者として、スタッフの皆さんの努力には頭が下がる思いです。
IPO(新規公開株)、PO(公募・売出し)の手続きも簡単【個人顧客向】
個人顧客向けの手厚さを感じる事例を一つだけご紹介します。
松井証券では、2018年9月から、IPO(新規公開株)、PO(公募・売出し)の申込手順を変えています。
ここでも「個人顧客重視」の姿勢を感じることができます。「細やか」で「手厚い」ですよね。
1回の手続きで抽選に参加可能
需要申告を行った人は全員、抽選の対象になります。
抽選に参加するために必要な手続きが「需要申告」だけなので、より早く抽選結果がわかります。
購入代金は抽選後に用意すればOK
購入代金は抽選後、購入申込期間最終日までに用意すればOKなんです。
抽選時に購入代金をご用意は必要がないので、気軽に応募できます。
相場に「絶対」はありませんが、「新規公開株」に応募するだけでも「楽しみ」は広がりますよね。
松井証券~ネット証券としての現在地|手厚い個人顧客へのサポート
ウェブサイトを読ませていただくと、株式から始まった松井証券のインターネット取引は、その後、先物や投資信託、FX でも様々なサービスを取り扱う総合的な金融サービスとなっていることがわかります。
ホームページでは、以下の特徴が紹介されています。
- 【無料】1日合計10万円以下の株取引手数料
- 【恒久無料】NISA株式手数料
- 【無料】デイトレ向け商品(一日信用取引)手数料
- 【無料】高機能取引ツール「ネットストック・ハイスピード」
- 【無料】「QUICKリサーチネット」(注:同業他社では有料)
- 【無料】資産運用をトータルでサポートする「ロボアドバイザー」
- 【無料】iDeCo(個人型確定拠出年金)専門の電話対応窓口「iDeCoサポート」
ぼく個人としては、「QUICKリサーチネット」無料がうれしいですね。
専門誌「四季報」に掲載されているような「企業情報」や「株主優待」だけでなく、新商品や新サービスを紹介する「とれんど選隊」は、純粋に経済ニュースとしても楽しめます。
これほどの情報を、無料で提供している。
「少額からでも投資を始めたいお客様の『学びや経験』を少しでもサポートしたい」という気持ちが伝わってくるようです。
もちろん、このような環境が用意されても、仕組みを十分に理解するまで金融商品を買う必要はありません。
「松井証券」には、「営業マン」がいない。
それはつまり、我々が「学ぶ」のを待ってくれるということでもあるのです。
まとめ: 通話料無料のフリーコールがある「オンライン証券」
「対面営業がいない」ことの意味を丁寧に追い求めてこられたのだと強く感じます。
特に「個人のお客様」の事情に配慮した、さまざまな「特典」が用意されていることがよくわかります。
さいごに、松井証券の「電子版パンフレット」をご紹介しておきます。
「営業マン」はいませんが、登録前の段階から「通話料『無料』のフリーコール」が各種相談にのってくれます。
もちろん、口座は「無料」で開設できますし、「個人」であれば維持費も「無料」。
会員登録後に無料でアクセスできる「QUICKリサーチネット」を使えば、企業情報だけでなく、新聞報道される前の新商品、新サービスをいち早く知ることができますから、今すぐ、申し込んでみましょう。
さらに口座開設で全員「200ポイント」がもらえる「新規デビュープログラム」も実施中(2019年9月30日まで)。
投資に興味のある方は、この機会に是非どうぞ。