こんにちは。
岡山で会社員をしなばらブログを書いている神高(かんだか)です。
バッドエンド映画の金字塔、映画「鬼畜」を VOD(ビデオオンデマンド、動画サービス) で観ました。
邦画の中で、これほど後味の悪い映画も少ないでしょう。
でも、また観たくなる。
今回観たのは、海外出張の途中だったんですけどね。
飛行機の中なのに、周りの目が気になって、ヒヤヒヤしました。
今の地上波では、刺激が強すぎて放送できないでしょう。
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息子がいるから、とてもとても……。
予告編でも十分、怖いわ。
そだね。ほんとに。
緒方拳さんの演技は多彩です。
この「鬼畜」を観て、「復讐するは我にあり」を観て、などとハシゴをすると、プロの俳優というのはつくづく色々な人になれるんだなあ、と感嘆します。
もう一人の主演、岩下志麻さんは大抵怖い役のイメージですが、今回もかなり怖い役まわり。
それでいて、色気がすごくて、印刷屋さんの現場で忙しく働いているのが不思議なくらいの美女のオーラがプンプンしています。
デジタルリマスターの映像は、もう目の前に立っているみたいな存在感です。
観た人と感想を共有したいので、ぼくなりにまとめてみました。
核心は伏せますが、何も書かないと紹介できませんので、少しだけネタバレ、どうかご容赦を。
(この DVD の予告編は、「一度観たことがある人」用なので、初見の方はその点、ご容赦を)
映画「鬼畜」の最初の舞台は埼玉県川越市
埼玉県・川越市からストーリーは始まります。
緒方拳さんが扮するのは、印刷屋を経営する「宗吉」さん(緒形拳さん)。
奥さんの「お梅」さん(岩下志麻さん)の資金的な援助でオーナーになったことに負い目を感じているようです。
そんなストレスを押さえ切れなかったのでしょうか、裏で宴会場の女中さん「菊代」さん(小川真由美さん)を愛人にして、子供まで作ってしまいます。しかも、3人も。浮気した当時は、二重生活できるだけのお金があったのでしょう。
しかし、大手印刷会社との競争で仕事が減り、普通の生活にも困るような状態に。そんなこんなで生活費に困った「菊代」さんが印刷屋まで怒鳴り込んできます。
しかも、いきなり3人を連れてくるのですから、自業自得とはいえ、「宗吉」さんは大ピンチになります。
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この場面を引いた定点カメラで写しているのは、まるでそこに居合わせた親戚か誰かのような緊迫感があります。
愛人と隠し子の襲来、当然、「お梅」さんは大いにだんなさんを責めます。子供たちの前も遠慮はありません。「菊代」さんと「宗吉」さんを怒鳴り続けます。が、夜も更けて遅くなります。
そして、乗り込んできた4人は電車が無くなり帰れなくなったため、そこに泊まる(時代が時代ですが、帰れないから、とそんな判断するのもすごいですが……)ことになります。
ところが、朝、目が覚めると、「菊代」さんは一人失踪。子供たちは置き去りです。「宗吉」さんは実の父親ですから、子供たちを家に置いてやろうとします。
しかし、どうやら子供嫌いらしい「お梅」さんは、お金がない腹いせもあって、子供たちに当り散らします。
観るのも辛い場面が続き、特に歩くのがやっとの末の男の子の口に米を突っ込むシーンは、今の地上波ではとても……、な地獄絵図。
トラウマになりそう。
ある晩、そんな末っ子が、目を離したすきに急に動かなくなります。
嗚呼。
映画「鬼畜」:利一くんとお父さんの二人旅が泣ける
ぼくにも息子がいます。一人っ子です。
年齢は、長男の「利一」くんよりは少し大きいかな。しかし、似たようなものです。
いろいろ起きて(いろいろ、は本編でご確認いただければ……)、お父さんの「宗吉」さんと「利一」くんが二人で遠出し、旅館のような和室に一緒に泊まるシーンが出てきます。
そこで、口数少なくおもちゃで遊ぶ「利一」くんに対して、ちょっとしたつまみで瓶ビールを飲みながら「宗吉」さんは若いころの印刷工修業時代の話をするのです。
このシーンは泣けます。なんだかわかりませんが、とにかく画面が見えないほど泣けます。
涙が止まらないんです。
はじき豆か何かを口に放りこみながら、「初めてのお給金がもらえるんだ……、それが楽しみで楽しみで」と昔を懐かしむ表情のリアルなことといったらありません。
うちの息子は Youtube の視聴に忙しいので、そんなゆっくり話す時間を持てたことはありませんが、たとえば寝台列車で二人きりで旅をすることがあれば、若いころの話をしてやるつもりです。
もちろん、「利一」くんのような状況は、息子もぼくもごめんですが……。
映画「鬼畜」で「利一」くんを演じた方のサイトがある
この映画は名作として広く知られていますから、「利一」くんを演じた子役がどうなったかは興味があるところではないでしょうか。
ぼくも気になったので、ネットで検索してみると、いくつか情報が分かりました。
まず、子役の俳優さんは「岩瀬浩規」とおっしゃいます。
そして、この名前で twitter アカウントを公開されています。
映画の公開が1978年なので、ぼくと年齢の近い方と思われます。
しかし、現在は俳優をされていない、ということなので、ここではこの程度のご紹介にしておきます。
映画「鬼畜」|まとめ(今なら、何とかなるかも。だけど……)
貧しさが人を変えてしまう、というのはあるのでしょう、たしかに。
しかし、継母はともかく、「宗吉」さんは実の父親として、なりふり構わず行動できないものかな、と思ってみたりもします。
もちろん、時代が違う、ということも考慮しなければならないでしょう。
一生の間、職業を変わることがほぼない時代に、「なりふりかまわず」となると、何か悪いことをしたり、あるいは体を壊すほど寝ずに代行業でダブルワークして働いたり、と短絡的になるのでしょう。
今は、違います。
実家に眠る価値のなさそうな品物でも、メルカリやヤフオクで売れるかも知れません。
あまり物を買わない我が家でも、売るものが無くなるまで売れば、1,2ヶ月は暮らせそうな気がします。
- くわしくはこちら:ヤフオクでヤマトらくらく家財宅急便を使えない時の対処法
また、映画の中で触れられていませんが、「お梅」さんに経営者にしてもらった負い目が、想像をはるかに超えるほど、大きいのかも知れません。
ぼくも、恐妻家の一人だと自認しています。
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え?何か言った?
いや、なんでもない……。
話を戻しましょう。
宗吉さんの立場で、あそこまでいろいろ言われたら、「もちろん、ぼくが悪いんだけどさ」と多少、挑んでみるかも、なんて思います。
……いや、無理かな。
……浮気しているからな。
想像するだけで、気がめいります。
今日はこの辺でお開き。また、お会いしましょう。