こんにちは。
Uターン転職で戻った地元岡山で会社員をしながら、ブログを書いている神高(かんだか)です。
Uターン転職を後悔している、という体験者の声はネットでもいくつか見つかります。
しかし、本当に後悔しているなら、彼たち、彼女たちはその仕事を続けなければならないのでしょうか?
そんなわけないですよね。
我々には「職業選択の自由」があり、「居住移転の自由」があるのですから、また新たな気持ちで歩みだせばいい。
Uターン転職を「後悔しない」あるいは「後悔を後悔で終わらせたくない」。
そんな方に向けて、ぼくの経験をお伝えします。
Uターン転職で後悔しなくないあなたへ|Oターンを知ってますか?
Uターン転職をして後悔している人が東京や大阪などの都市部の仕事に再び戻ることを、「Oターン転職(おーたーんてんしょく)」と呼びます。
Uターン転職をして後悔しているなら、Oターンを狙おう
こんな言葉がある、ということは、地方の仕事に疲れて再び都市部や大企業の仕事に戻っていく人が一定数、いらっしゃるのでしょうね。
だから、あなたがもし、Uターン転職で悩み、後悔しているなら、Oターン転職を検討すれば良いのです。
ぼくがUターン転職した2004年頃と異なり、今は転職希望者が無料で使える転職エージェントや情報サービスが多数あります。
都市部の求人情報を比較し、面接に応募するのはスマホだけでも終えられる時代なのです。
もちろん、数年でもお世話になった転職先に申し訳ない、という気持ちを持つのは人間として自然な心理です。
ただ、自分の求めるものと違うのであれば、自分の心と素直に対話しましょう。
十分なノウハウ、資産を職場に残して、自分は新天地を目指す、というのも現代においては立派な選択肢になり得ます。
少なくとも、Oターン転職という言葉が存在し、一定数の人がそれを選んでいる、ということは憶えておきましょう。
Uターン転職で後悔したくないなら、年収は忘れましょう
Uターン転職で後悔したくないなら、年収のことは一旦、忘れましょう。
都市部から地方都市に移ると、同じような業種、職種であっても年収が3割減から半減、というのは普通に起こり得るからです。
厚生労働省が2月に発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」を参照ください。
たとえば、東京なら380.4万円、岡山なら281.1万円となっています。
もちろん、職種、業種によって大きく違いますから一概に言えません。
たとえば一部上場の総合商社、特に「本体(本社)」であれば、世間の誰もが知る財閥系でなくとも30歳で800万円を超える年収はごく普通です。財閥系の商社なら30歳で1000万円にさえ届くでしょう。
そのようなレベルの年収を地方都市で得るのは、自営業や会社役員を除けば、賃金体系が本社と同じ大企業の地方事業所(工場)でなければ不可能です。
とはいえ、地方都市の事業所は、本社とは賃金体系が違うことも多いのですが……。
だから、年収の額面だけにこだわっていると、相当な確率で後悔することになります。
そんなことはわかっている、と思いながら転職しても、人間ですから、他人と比較して「本当に良かったのかな」と思うことはあるものです。
もちろん、地方都市の就職でも年収を軽視して良いということではありません。
ただ、現状維持、あるいはそれに近いレベルを期待してしまうと失望しますよ、ということ。
その意味では、「転職する理由」をじっくり考えて、ノートなどに整理してみましょう。
活動している途中で、あるいは後から気づくことも多いですけどね。
とにかく、年収減は納得してからUターン転職を考えるべきです。
あなたは子育てが終わった年齢でOターン転職できますか?
Uターン転職で後悔したからといって、永遠に後悔し続ける必要はありません。
というのも、再び転職するチャンスは何度でも生きている限り、訪れるからです。
あなたは子育てが終わった年齢でOターン転職できますか?
もし、ご家族がいて、子供さんがいらっしゃるなら全員が高校を卒業するタイミングを逆算してみましょう。
たとえば、それが50歳なら、今の時代、十分転職は可能です。
転職エージェントで検索するとわかりますが、それらの年齢でも求人は多数あります。
たとえば営業や資材、管理部門経験者なら、新旧の事業をまとめる立場や営業拠点の拠点長候補に応募できます。
おそらく、それらのポジションは海外を含めた転勤や出張が多いことでしょう。
もし、ふさわしい経験を積んでおり、転勤や出張で家族と離れて暮らすことも苦ではない、ということであれば応募を検討できます。
子育てがひと段落しているなら、ふたたび選択肢は増えます。
「共働きの継続」「ワンオペ子育て」に悩む時期を過ぎていますから、家族それぞれが「自分のかなえたい状態」に向けて時間を費やせば良いのです。
とはいえ、そこまでしなくても、という感覚も理解できます。
Uターン転職を考えるような価値観なら、なおさらそうでしょう。
ぼく自身も、今のところ都市部に戻ることは考えていませんからね。
あくまで「生活費が必要なら再び都市部に出稼ぎに行く」という選択肢を残しておきましょう、という提案です。
選択肢がある、と思えば、気持ちが落ち着くものです。
転職してもしなくても「後悔」はするもの|言葉こそ違うけれど
観もふたもないことを言わせていただきましょう。
「転職」を一度でも「意識」すれば、動いても留まっても「後悔」はするものです。
「現状維持に納得できない」というのは「過去に決断しなかったこと」を後悔しています。
一方、「Uターン転職したことを悔やむ」というのは「決断したこと後悔」しています。
逆に「意識」しなければ、「満足」も「後悔」もないですよ。
だって、初めから何も気にしていないんですから……
もちろん、「後悔しない選択肢だってあるんじゃない?」と思いたい気持ちもわかります。
一つだって、悔やまれるような経験はしたくない。それは、誰しもそうでしょう。
ただ、「決断」と「後悔 or 満足」までには時間差(タイムラグ)があります。
「決断」した時点では、それがマルなのかペケなのかわかりません。
「年収1000万円なら、どんな仕事でもする覚悟だよ」と始めるまでは思っていても、それが「日常」になれば、人は変わっていくものですからね。
だから、一度転職を考えた人は、次に決断するときまで冷静に情報収集は続けるべきです。
淡々と冷静に、現状に留まるにしても、出ていくにしても、それがいつかわからなくとも。
ちなみに。
Oターン転職を考えるとき、ぼくが意外とねらい目だと思っているのが「ゲーム業界」です。
というのも、昔からある製造業や商社で財務や法務などを仕事にしてきた人は、おそらく新卒(就職活動)の時に検討すらしないからです。
「ゲーム業界はプログラマーやデザイナーじゃないと入れない」
みんながそう思っているからこそ、逆にチャンス。
人材が不足しているのでしょう、「知財関係の経験者」「国内・海外営業」「法人向けの法務の経験者」などを常にどこかの会社が募集している感じです。
しかも、上場企業を含む大手でも、です。だから、給料や福利厚生も悪くない。
世の中の変化を感じつつ、いままでの経験も活かせる、生活も安定する、副業を認めてもらいやすい、という意味で面白い選択になると思います。
今では、ゲーム業界専門の転職エージェントもあるくらいなんですよ。
外資系の大手エージェントと「ファミ通(アスキー)」とが提携して始めた「ファミキャリ!」なんかがそうですね。
- くわしくはこちら:ゲーム業界は衰退してる?「ファミキャリ!」を訪ねてみると……
転職エージェントは「採用したい会社が全額費用負担」するしくみなので、利用者には何のデメリットもありません。
すべて無料ですから、登録だけして自分の可能性を調べてみましょう。
それから、東京近郊でプロのプログラマーになりたい人にもチャンスがあります。
なぜか「無料」で「プログラミング」を学べて、大企業への転職もサポートしてくれる会社が東京・五反田にあります。
- 無料のプログラミングスクール、何故?:iStaCamp(アイスタキャンプ)のなぜ?|口コミや評判が少ないけど大丈夫?
怪しい会社ではありません。
それで成立する「ビジネスモデル」を持っています。
転職前後で東京に生活拠点を持つ人、予定がある人は検討してみてください。
さて、ここからは今度はぼく自身がUターン転職を決意した時のお話をします。
Uターン転職、理由なんて後付けさ|田舎の両親に迫る危機
2003年秋のことです。
出張先のぼくの携帯電話に、珍しく父親から連絡が入りました。
あまり良い話ではないな。そんな察しはつきます。
「母親の体調がすぐれない。一度退院できたものの、しばらくは日々の生活でも気を付けなくてはいけない。当然、車の運転もできないし、何かと不安だ」
地方都市で自動車を運転できない、ということは、自由に外出できないことを意味します。
父親にも仕事がありましたから、大きく生活スタイルを変える必要が生じる事態であることはすぐに理解できました。
すぐに岡山に帰った方が良いのだろうか。
ぼくがUターン転職した本当の理由|家族の危機、だけじゃない
……なんて、シリアスな状況は長く続きませんでした。
というのも、母親の病状は覚悟していたよりもずいぶんと軽く、すぐに元の生活に戻れることが分かったからです。
現代の医学の進歩は大したもので、血液の病気といえども、病状にズバリ、ピンポイントで効く薬が開発されている、とあとから聞きました。
実際、何回目かの検診の時、お医者さんに「で、お酒はいつから飲めますか?」と二人から聞いたくらいだそうですから、両親ともほどなく病気の回復を実感していたのです。
ただ、この経験がぼくの背中を押すきっかけになりました。
地元へのUターン転職を真剣に考えるようになったのです。
ただ、本当の退職の理由は別のところにありました。
転職の理由は人それぞれ|何かを「選ぶ」ことと「諦める」こと
この母親の病気の件が両親と離れて暮らすことのリスク、難しさを感じるきっかけになったことは確かです。
ただ、実際は、ほぼ同じタイミングで所属していた事業部ごと別の会社に吸収合併されることが決まったこと、それが決心を固める大きな理由でした。
吸収される側の企業や部門は、理不尽にリストラされたり、部署が統合されたりするからです。そんな事情にエネルギーを消耗したくない。
ここに長く居るべきではないな、そう考えました。
とはいえ、上司に対する「退職の理由」には、『家族の事情」を使わせてもらいました。
母親の思ったより病気が軽かったことなど、すべてを正直に言う必要もありません。母親がしばらく入院していたのは本当のことです。
もちろん、選択肢の中から最善だと思って選んだ会社を去るわけですから、不安はありました。
インターネットが普及しつつあると言っても、いまとは情報量が違いますからね。
今の20代の人には想像がつかないかも知れませんが、2004年はまだ「スマホのない」時代。
ようやく今風のブラウザが使えるようになった iPhone 3G でさえ、登場は4年後の2008年です。
奥さん(パートナー)の実家に近いところに住む人たち
ぼくの場合は、母親の病気の連絡をきっかけに地元への転職を考えるようになりました。
まわりでUターン転職をした人を観察してみると、理由は人それぞれです。
自分はまだ若く独身でしたから、理由は両親との関係でしたが、ある程度の年齢で家族のいる転職者は大抵、奥さん(パートナー)の意向が大きいように感じます。
端的に言えば、「奥さんの実家に近い」エリアに住むことを選んでいるんですね。
その意味では、順番は逆ですけど、我が家も結果的にそうなっています。
ぼく、家内ともお互いの両親のもとに車で数十分のところに住んでいますから。
子育てするにしても、両親との関係のうえでも、悪くない距離感だと思います。
初めから地元で就職した人には、特に珍しいケースではないのでしょうが、結局、遠回りしてそこに行き着きました。
確かに年収は落ちました。
落ちましたけど、後悔はありません。
親と子、自分やパートナーを含む親子三世代が協力し、一人でも働き手を増やす、という方針を続けられるようになりましたからね。
さて、ここまでつらつらと個人の体験も交えながらUターン転職についてお伝えしてきましたけれど、決して焦る必要はないですよ。
絶対にあわててはいけません。
その理由を最後にお伝えします。
Uターン転職、先に辞めてから地元で活動する必要はありません!
Uターン転職含めて、転職活動全般に言える悩み。
それは「先に仕事を辞めてから転職活動するのはアリか?」ということ。
「退路を断て!」だの「本当にしたいこと、できていますか?」だの「エンジニア(プログラマー)になれば年収が大幅に上がる!」だの、煽る(あおる)フレーズがネットや書籍であふれています。
仕事を変えようとしている以上、一日も早く決断した方が良いんじゃないか。
そんな気持ちになるのもわかります。
ぼくも、Uターン転職経験者ですからね
ただ、そこは冷静になることをオススメします。
理由はハッキリしています。
新しい転職先、転職エージェントに足元をみられるからです。
とにかく、煽り(あおり)に乗せられてはいけません。
自分の人生ですから、大切にしていきましょう。
ぼく自身の体験と、会社員を20年ちょっと続けてきた経験からわかったことをお伝えします。
Uターン転職、先に辞めてから地元で活動する必要はありません!
結論からいえば、Uターン転職でも、仕事を辞めてからの転職活動は非常にもったいないといえます。
というのも、月々の生活費が入ってこない状態で転職活動をすれば、不利な状況であせって決断しなければならない可能性もあるからです。
ぼくの場合、新しい職場の受け入れ体制と引っ越しの都合で1か月の空白期間がありました。その1か月間でも光熱費や電話代の支払いなどでひやりとしました。
割とお金を使わない、ケチな方だと自認していますが、それでも社会人になって数年経ち、自分が思っていた以上に生活レベルが上がっていたのです。
もちろん、Uターン転職の場合、実家でしばらく住めるから、生活費の面ではしばらく大丈夫、という感覚になるのもわかります。それが地元に戻る大きな理由の一つですからね。ただ、期限(デッドライン)が決まっていない、というのは逆に怖いものです。
実家暮らしで生活費が大きく下がるとはいえ、焦りも生まれます。
前職の給料が入らない最初の月の銀行口座の減り方は、まじでビビります。
人生の転機をそんな精神状態で決断をするのはもったいないです。
職歴・経歴の空白をつくらないようにしましょう
悪いことはいいませんから、できることなら職歴、経歴の空白をつくらないようにしましょう。
地方の中小企業、あるいは大企業の事業所(工場)や支店などもそうですが、経歴の空白を嫌う文化は根強くあります。
だから、次の職を決めずに辞めるのは「もったいない」のです。
これは、採用する側の心理が理由だろうと想像します。
大企業、地方企業の人事や総務部門の人はいわゆるプロパー(生え抜き)の社員です。
となると、特に理由もなく離職していることの「意味がわからない」、つまり「共感できない」のです。
とはいえ、サラリーマンとしての経歴に空白があるとしても、前向きな主張に変えることもできますよ。
たとえば、ある程度のスキルがあるのであれば、「語学留学」「資格試験への挑戦」などを理由にすれば、「意味のある」経歴の空白にすることができます。
そのあたりは、社会人経験を数年積んだ人であれば、うまく説明できるように「自分の経歴の棚卸(たなおろし)」をしてみましょう。
起きたことは仕方ありません。
でも、それに「理由」を付けられるなら、前向きなものに変えられるかも知れないのです。
何らかの形でサラリーマンを続けるなら、できるだけ「職歴・経歴」の空白期間をつくらないのが「得策」です。
ここだ、と思える会社なら直接コンタクトするのもアリです
Uターン転職先を探すとき、転職エージェント(転職先を無料で紹介してくれるサービス)を使う方法もありますが、職種や業種がピッタリだと思えるなら、直接、人事部にコンタクトするのもアリです。
なぜなら、転職エージェントは、転職者希望者には「無料」でサービスを提供する一方、成約したら「採用する企業側から報酬をもらうビジネスモデル」だからです。
中堅社員をあらたに採用する企業側も、そのコストに見合ったメリットがなければ、エージェントに登録しませんよね?
でも、大手の転職エージェントに登録している地方企業もあるにはありますが、競合が一部上場企業や伸び盛りのベンチャー企業(破格の条件もあります)だったりすれば、地方企業は埋もれてしまいます。
採用募集だってある種の「広告」ですから、資金を投入できる側が強いのです。
ならば、仲介(エージェント)を使わずに、直接コンタクトしても良いのです。
とはいえ、中には「いや、直接連絡するのは勇気が要る」という人もいらっしゃるでしょう。
それなら、まずはエリアや業種を絞って、興味のある企業のホームページを調べてみましょう。
すると、常時、人材募集を具体的な職種別にかけている地方企業も多くあることもわかります。
あとは、地方が本社の企業ですね。
新卒用のリクナビを使えば、「〇〇 本社」などのキーワードで検索できます。
地方の中小企業はめったに転職希望者のコンタクトがないので、「募集している職種」と「希望する職種」が合えば、前向きに話が進む可能性は大いにあります。
たとえば、アナウンサーなどの花形ポジションのせいで新卒採用のイメージが強いテレビ局ですが、KSB(瀬戸内海放送)のような地方テレビ局は中途採用を自社サイトで募集しています。
クリエイティブな仕事に関わりたい人にとって、夢のある募集内容じゃないですか?
辞めずに転職の可能性を探る方法はたくさんあります
ここまでの内容をまとめます。
今の時代、仕事を辞めずに次の仕事を探すことはズルいことでもなんでもありませんから、大いに活用しましょう。
転職エージェントも多種多様ですから、情報を上手く使えば、仕事を辞めずに情報収集できるからです。
ぼくが転職活動をした2004年あたりはまだまだ転職エージェントは一般的でなく、情報も限られたものでした。
そもそも、日本人はめったに転職しない、とまだ言われていた時代ですし、スマホもなかったですからね。( 何とか使いものになった iPhone 3G でも発売は2008年です)
ぼく自身、今すぐ転職する可能性はありませんが、転職エージェントに登録して情報収集だけは続けています。
ありえないくらい、ものすごく高い「希望年収」を掲げてね。
どんな職種が興味を持ってくれるか、どの程度のオファーがあるのか知っておけば、気持ちに余裕が生まれますし、英語や会計など、仕事と間接的に関わる分野の勉強の励みにもなります。
くれぐれも、ツイッターや Youtube などにあおられて、次の仕事が決まる前に辞めないように。老婆心ながら、お伝えしておきます。
後悔したくないなら、ズルくふるまってもいいんです。
自分の人生は、自分のものですよ。