こんにちは。
とあるメーカーで海外営業20年超の神高(かんだか)です。
日商簿記3級、2級がオンラインで受けられるようになったの、知ってましたか?
簿記初級(元4級)のネット受験はすでに実施されていますけれど、3級、2級もオンラインで受けられるようになるわけです。
この内容は、2020年9月18日(金)、試験を主催する日本商工会議所も公式に発表されて全面的に実施されました。
ポイントはいくつかありますが、受験を予定する人、簿記にチャレンジしたい人にとって特に重要な変更は、以下の4点です。
- 指定したテストセンターでオンライン受験可能(自宅はダメ、受験不可)
- 試験日は各テストセンターが定める日程
- 試験時間の大幅な短縮(2級:90分、3級:60分) ※従来はともに120分
- 従来型のペーパーテスト(正式名称:統一試験)は残るものの、同様に試験時間は短縮
日商簿記3級、2級のオンライン受験に対応したテストセンター(試験会場)も公式サイトで検索できるようになりました。
ネット受験の日程はインターネット上で公開されていて、合格できる自信があれば、1週間後であっても受験できるようになりました。
商工会議所の受験者向けウェブサイトでは、たとえばこのように試験日程が案内されます。
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つまり、簿記や会計の適性や才能がある人は、自分のペースで3級、2級とどんどん勉強と資格取得を進められるようになっています。
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その意味では、いきなり2級を受けるよりは、商業簿記中心の3級にまずは合格する、という戦略が良いと思います。希望すれば翌週にだって力試しできるのですから。
3級、2級、そして1級の違いについて、少し触れておきます。
日商簿記検定試験は、特にそれなりの規模の企業会計事務で求められる2級、個人事業主や企業の財務部門スタッフとして役に立つ3級の受験者が多い、という特徴があります。
一方、日商簿記1級は税理士試験の受験資格となるなど、重要な資格試験となっています。
ですので、まずは受験者が多く、さまざまな業種で役に立つ「簿記3級」と「2級」について、優先的にネット試験方式( CBT -Computer Based Testing、コンピューターベーステスティング )の追加導入を決めたようです。
日本商工会議所、全国の商工会議所で2020年12月開始を目途に準備を進め、予定通りに実現されました。
さすが、商工会議所だけあって、仕事が早いですね。
ちなみに、システムメンテナンスか何かの都合で、受験できない期間が設定されています。
この期間は外すようにしましょう。(注:受験申込のシステムは動いているので、受験申し込みはできます)
2024年度のメンテナンス予定(計画):
2024年4月1日(月)~4月13日(土)
2024年6月3日(月)~6月12日(水)
2024年11月11日(月)~11月20日(水)
2025年2月17日(月)~2月26日(水)
【2024年版】簿記3級のネット受験とは?|オンラインで試験を受けられる上に、随時開催の新方式

従来、日商簿記検定は年に3回、開催されてきました。
年度の始まりを4月とし、毎年6月、11月、2月の計3回実施されてきたのが従来型の「統一試験」です。
商工会議所のほか、全国の高校や大学などの大規模な会場を借りて年3回、開催されています。
ただ、2020年6月度(第155回)はコロナ禍で試験を実施できない、という事態になりました。
新型コロナウイルスの影響は、こんなところにも出たわけです。
そこで、2020年11月の検定は、感染予防策を図りながら実施することとなりました。
一方、随時(いつでも)試験を受けられるテスト方式が、今回発表された「ネット受験」方式です。
簿記3級のネット受験に対応している会場は「テストセンター」と呼ばれます
TOEIC の公開試験では受験希望者が抽選で落とされる、というニュースが報じられています。
実際、ぼくも公開試験の申し込みに落選しました(通知メールには「落選」と書かれます(^^;)。
「感染症予防をしながら試験を行う」ということは、たとえば受験者数を絞ったり、広い会場を押さえることを意味しますから、資格試験を受けたい人は困るわけです。
しかも、この後、コロナ過が拡大すれば、急に集団での試験は開催不可になる可能性もありますからね。
そこで、商工会議所は「テストセンター」で簿記3級、2級を受けられるネット受験制度を準備しようとしているのが今回の動きです。
「テストセンター」は商工会議所が認定する全国100カ所(今後、増えると思われます)の施設で、岡山であれば以下の会場が「簿記初級(昔の4級)」に対応している組織・団体として登録されています。
- 専門学校ビーマックス
- パソコンスクール(ソフトプレビュー)
- 岡山商工会議所パソコン教室
- 津山商工会議所パソコン教室
- 倉敷商工会議所パソコン教室
- スクール AKIJOHO 倉敷校
将来的には、これらの会場は簿記3級、2級のテストセンターとして認定されるのではないでしょうか。
(2021年1月23日追記)
岡山のテストセンターは、以下の3か所でのスタートとなりました。
受験生が増えれば、将来的に徐々に増えるとは思います。
- 岡山駅前テストセンター
- ハロー!パソコン教室セントラル岡山駅前校テストセンター
- スクールAKIJOHO倉敷中央テストセンター
ちなみに、自宅や勤務先での受験は不可、できないことになっていて、新しい試験でも同様に NG と公表されています。
不正防止、資格試験としての信用の確保、という視点も重要ですからね。
簿記3級のネット受験開始に合わせて、統一試験(ペーパー)も試験時間の短縮が行われます

簿記3級、2級のネット受験開始に合わせて、統一試験(=公開会場で実施されるペーパーテスト)も試験時間の短縮が予定されています。
- 3級:60分(現行の試験は2時間、120分)
- 2級:90分(現行の試験は2時間、120分)
ネット受験は、はじめからこの試験時間で実施し、会場で実施されるペーパーの試験でも2021年度(2021年6月の試験)からは時間短縮になります。
簿記3級は後半にある「試算表」「精算表」の問題で時間が足りなくなりがちなので、そのあたりの問題構成や難易度で時間は調整されるのでしょうね。
最初の仕訳問題を減らしたら、簿記3級の大事なエッセンスが飛んでしまいますから(笑)。
いずれにしても、新方式の予習・体験ができる、という意味でネット受験を経験しておくのは大きなプラスです。
なぜなら、2021年から、日商簿記3級、2級の出題形式が変わったからです。
簿記3級は2021年度から統一試験方式(ペーパー)もネット試験方式と同じ形式になりました
公式サイトではサラッと書かれていますけれど、これは試験内容に関する大きな変更です。
2020年度の統一試験(11月15日(日)、2021年2月28日(日))は、現行通り2級120分、3級120分で実施。2021年度からの統一試験方式は、ネット試験方式と同じ試験時間、出題範囲・出題形式で実施。
引用元:https://www.kentei.ne.jp/31498 (商工会議所の検定試験 公式サイト)
2021年度から、というのは2021年(令和3年)6月実施の試験以降を指しています。
また、統一試験方式は、従来型のペーパー&マークシートを指しています。
つまり、ネット試験も公開会場で行うペーパーテストも同じような中身になる、ということです。
簿記以外でも TOEIC その他、徐々にネット受験の試験は増えていくので、早めに経験しておくのは大きなプラスでしょうね。
うまく活かせば、日商簿記2級合格までのリードタイムを大きく短縮できるでしょう。
簿記3級はネット受験でも会場受験でも受験料は変わらない予定です

今のところ、ネット受験も会場受験も同じ受験料と発表されています。
- 3級:2,850円(会場受験のペーパーテストと同じ)
- 2級:4,720円(会場受験のペーパーテストと同じ)
オンラインなので、採点や郵送などの面ではコストが下がりますが、一方で使わせてもらう会場(テストセンター)とのやりとりなどで別の費用が発生するでしょうから妥当、納得の受験料です。
というか、TOEIC や英検などのことを思えば、商工会議所の資格試験はもともとの受験料が安いですね。
TOEIC も英検も、逆に値上げしていますから。
得られるメリット(一生使える会計の基礎知識が身につく)を考えれば、簿記3級は本当にコスパ(費用対効果)が良いと思います。
簿記3級のネット受験はパソコンを使った CBT 方式となります
簿記3級のネット受験は以下のステップで実施されます。
即日、合格証がもらえるのはあっけない(笑)けれど、嬉しい変更ですね。
- 受験者が申込みをした試験日時、会場で受験(注:日程はテストセンターが決めます)
- 受験者はネットに接続されたパソコンに着席
- 受験者ごとに違う試験問題をインターネット経由で配布
- 従来同様、試験会場で計算用紙1枚配布(注:試験終了後に回収されるそうです)
- 受験者はパソコンの画面上で解答を試験時間内に入力
- 試験終了後、システムが自動採点、その場で合否判定
- 合格者にはデジタル合格証を即日交付
受験のハードルが下がるので、日商簿記3級の受験者が増えることも期待されます。
簿記3級のネット受験とは?|まとめ

ここまでの内容をまとめましょう。
ネット受験方式は、何と言っても採点から合格発表までが画期的です。
自動採点、自動の合否判定、最後は合格証の発行までをインターネット上で行う、というのは、新しい時代を感じさせます。
在宅勤務、在宅研修など「働き方を変えよう」とビジネスの世界が動いている中で、商工会議所が新しい方式を打ち出したことは、素晴らしいチャレンジといえるでしょう。
簿記3級、2級のネット受験は2020年11月下旬に受験申込開始、12月中に実施が最初で、これから徐々に一般化されていくでしょう。
気になる人は随時、チェックしてください。
オンライン化によって、3級まではオンラインで受けて2級はオンラインと試験会場のペーパーテストを併用って人が増えるんじゃないかな、と想像します。
というのも、就職活動、転職活動、あるいはそれなりの規模の企業で財務部門のメンバーになるには、日商簿記2級が求められることが多いからです。
とはいえ、今の日商簿記2級は難化が激しく、どんどん難しくなっていますから、100時間を超える学習時間を投入しないと合格は厳しい。
しかも、職場の上司や企業の採用担当がオンライン受験による合格の妥当性をペーパーテストと同じように認めてくれるとは限らない。
ネット受験とはいえ、不正はできないし、難易度にも差がないと頭ではわかってはいても・・・、ね。
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いまだに「ネット」というだけで怪しい、とか信用できない、なんて方は一定数、いらっしゃいますから。
ならば、日商簿記3級はオンラインで早めに突破して、簿記2級はオンライン受験で力試しをしつつ、本番は試験会場でペーパーテストを受けて紙の「合格証書」をいただく、という流れになるのではないでしょうか。
全体的に「簿記・会計」に対するハードルが下がり、簿記3級に挑戦する人が増えると面白いことになりそうです。
中には、いるんですよ。
社会人になって勉強を始めた簿記・会計分野で自分の才能に目覚める人が。
知り合いに、もともと IT 系のエンジニアだったのに、簿記3級の勉強を始めたところ、その美しさに惹かれて最後は公認会計士まで取った人がいます。
だから、今まで簿記資格の勉強をしたことが無い人は、福袋や宝くじを買うくらいの軽い感覚で勉強を始めてみることをオススメします。
「買わなきゃ当たらない」のと同じく、「始めてみないと自分の才能には気づけない」のですから。
これが、すぐに簡単に簿記3級の勉強を始める方法です
「簿記3級に挑戦したい。でも、できるだけ時間もお金もかけたくないんです」
なるほど。
もし、簿記3級のテキストを探しているなら、資料請求でもらえる無料のサンプル教材を使う、という手があります。
ぼくも実際にいただきましたが、特にしつこい勧誘などもなく、本当に無料でした。
1分ほどで済みますから、資料請求してみてください。
「CPAラーニング」の無料サービスでも評価の高い東京CPA学院に無料の資料請求をするだけで、簿記3級に対応したテキストがもらえます。
オンラインテストの時代、といっても簿記の試験の元ネタはペーパーテストですからね。
PDF や動画だけでは、ちょっと不安。
無料のテキスト(教科書)で簿記3級の準備ができるなら、やっぱり嬉しいし、勉強もはかどります。
もし、簿記3級の勉強がスムーズに進むようなら、さらに上の級、上位の簿記資格を目指せるのが簿記資格のおもしろいところです。