こんにちは。
とあるメーカーで海外営業に就いて20年超の神高(かんだか)です。
とある知り合いから
「40代で簿記3級の資格を取ると就職で有利になりますか?」
との質問をもらいました。
うーん、長年、会社員として働いている立場からすると……。
正直いって40代で「簿記3級だけ」で未経験から経理・財務部門で正社員になる、というのは厳しいと思います。
というのも、日商簿記3級って、働きながらでも20時間から50時間程度の学習時間で取れるレベルですからね。
一日1時間でも勉強できるなら、長くても1ヶ月から2か月程度で全体像を理解できるでしょう。
とはいえ、簿記3級が無意味な資格かといえばそんなことはありません。
40代、いや、50代でも簿記3級は取る意味のある資格だと断言できます。
その理由を3つ、お伝えします。
【悲報】40代で簿記3級の資格を取ると就職は有利になるのか?|未経験だと答えは……

簿記3級の資格が40歳を超えてもチャレンジする意味がある理由を3つ、挙げていきます。
派遣社員なら、簿記3級+未経験でも経理部門の人材募集はたくさんあるから|その①
派遣社員やパートタイムなら、簿記3級+未経験でも経理部門の人材募集はたくさんあるから、というのが最初の理由です。
40歳、50歳では難しい、と書きましたが、募集自体はたくさん出ているんですよ。
実際に、派遣社員の募集状況を「簿記3級」「未経験」で実際に検索した結果(まさに今)がこちらです。
どうですか。
東京だけでも、パートタイムや派遣社員ならば意外と「未経験歓迎」の経理担当募集があるでしょう?
(注:「業界未経験でもOK」という案件も検索にかかっています)
もちろん、年齢を重ねての未経験、というのは正直、不利な立場です。
わたしも、40歳前後でどの程度の求人があるか、転職エージェントに登録して情けない思いをしたことがあるのでよくわかります。
本当に、ある程度以上の規模がある会社の人事部、中途採用担当って、やっぱり
- 30代前半までの若い人
- 有名大学卒、明らかに高学歴な人
- 上場企業、大手企業出身の人
が好きですからね(^^;。
どう考えても採用で失敗しない(と思われる)ようなスペック、経歴の人が好まれます。
仮に20代、30代で同じような能力、条件の人と40代が競争させられたら、どうしても選ばれにくい。
とはいえ、中途入社で入れるかどうかは、多分にタイミングや縁(えん)もあります。
派遣だろうが何だろうが、一度仕事に就いてしまえば「経験者」を名乗れます。
そのゼロイチ(未経験者→経験者)の足掛かりとして、日商簿記3級は役に立ってくれます。
2022年9月追記:
日商簿記3級の勉強を無料で始めたい、と思っている方へ:
無料の資料請求をするだけで、簿記3級のテキスト(日商簿記3級のテキスト、問題集)がもらえるスクールがあります。
セカンドオピニオン(参考用)にも使えるので、最新の参考書や問題集が手元にない人は活用してください。
受け取ったテキスト・問題集を受けとった後も、特にしつこい電話勧誘とかはありませんでした。
合格までの過程で簿記や会計に対する自分の適性を実際に測れるから|その②

合格までの過程で簿記や会計に対する自分の適性を実際に測れるから。
これが二つ目の理由です。
最初にお話しした通り、簿記・会計に適性がある人なら20時間程度の学習時間で簿記3級の全体像を理解できるようになります。
場合によっては、さらに短い時間で習得する人もいます。
実際、いるんですよ。
「算数、数学は苦手だけど、「円」が付いたお金の計算だと思ったら、なぜか飽きずに難しい問題でも取り組める」
なんて人が。
あるいは、仕訳(しわけ)の論理性、美しさに魅せられてしまう方もいらっしゃいます。
さんざん、いろいろな取引をした挙句、最後に借方(かりかた)と貸方(かしかた)が一致するなんて、簿記は確かによくできているな、と。
ただ、その面白さに気づくかどうか、簿記・会計の世界に適性があるかどうかも、勉強してみないとわかりません。
そして、その判断ができる最初のハードルが日商簿記3級なのです。
フリーランスや個人事業主として仕事をするのに十分な知識だから|その③
フリーランスや個人事業主として仕事をするのに十分だから。
これが3つ目の理由です。
大企業や大組織の経理として働くには、簿記3級はちょっと足りなくて、2級以上が望ましい。
しかし、フリーランスや個人事業主として仕事をし、納税するレベルであれば、簿記3級で十分です。
実際、青色申告、白色申告、いずれにしても、もはや会計ソフトを使えば一人で確定申告できる時代ですからね。
青色申告で求められている「正規の簿記の原則(一般的に複式簿記)により記帳していること」という条件は、まさに簿記3級の範囲でカバーできます。
現在、インターネットで仕事を取ってくる自営業者は、ごくありふれた存在となりました。
人生の後半、たとえば65歳で定年退職した後、自由業として独立する、なんて場合でも、簿記3級は十分に役立ってくれます。
きっかけは就職活動、転職活動だったとしても、実は先々、死ぬまで力になってくれるのが基礎的な簿記の知識なのです。
40代で簿記3級の資格を取ると就職は有利になるのか?|まとめ

ここまでの内容をまとめておきましょう。
未経験の分野、かつ40歳を超えている、というのは、就職するには非常に不利な条件です。
残念ながら。
しかし、どこかで経験が積めるなら「未経験」卒業ですし、つぶしがきく、広く応用できる、という意味で、簿記3級以上のコスパがある資格をぼくは知りません。
もし、簿記3級へのチャレンジを迷っているなら、働きながら、就職活動をしながらで構わないので、学習を始めてみましょう。
英語とか、貿易実務とか、いろいろと資格の勉強をしてきた立場から、簿記3級は自信を持って推薦できます。