こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年以上、通関士試験にも合格している神高(かんだか)です。
第57回通関士試験は、2023年(令和五年)10月1日(日)に実施されました。
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もしかして、第56回通関士試験の過去問を探していますか?
ごくたまに、受験生でも税関が「無料」で過去の試験問題や回答、配点などを PDF で公開してくれていることを知らない人がいるので、ご紹介します。
2023年の第57回通関士試験の試験問題は、こちらにあります。
ファイルは4つあります。
- 通関業法:問題
- 関税法、関税定率法他:問題
- 通関実務:問題、別冊
また、解説が欲しい方は「通関士ポータル」というサイトに詳しい情報が「無料」で公開されています。
だから、過去問と解答をざっと確認したいだけであれば、書籍を買う必要はないですよ。
通関士ポータルを運営しているのは「日本関税協会」ですから、「違法なものじゃないか」「何か売りつけられるんじゃ」などの心配も無用です。
ただし、本試験から解説の掲載まで数ヶ月かかりますから、試験直後のタイミング、春までにで前年の過去問が欲しい人は税関のサイトへGOです。
通関士試験の過去問を無料で入手する方法とは?【2024年版】|過去問が本番に最も近い
通関士試験は、試験を実施する税関( Japan Customs )のウェブサイトで無料公開されています。
例年、試験の合格発表と同時に正答(すべての問題の正解<公式見解>)や合格率、配点などが発表され、同時に合格ラインをも受験者は知ることになります。
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通常は全科目60%が合格ラインなのですが、3科目目が極端に難しい年は50%など、3科目だけボーダーが下がることもあります。
たとえば、2018年(平成30年)の第52回試験は3科目目だけボーダーが50%に下げられました。
それでも、合格率が14.6%(しかも、科目免除者を含む)ですから、通関士試験はかなり骨が折れます。
特に、3科目目の「貿易実務」は正確性と時間と両方の戦いであるだけでなく、
- 選択式:いくつ正解・該当があるかわからない5つの選択肢から選んでマークする
- 択一式:(おそらく)一つ該当するが、該当するものが無ければ「0」をマークする
がとにかくややこしい。
しかも、最初の2科目では得点源となってくれる「穴埋め式」が3科目目の「通関実務」にはない代わりに「計算問題(5問)」ですからね。
だから、50%といってもやすやすとは合格ラインを超えさせてもらえません。
2022年(令和4年)の問題はこちらにあります
2021年(令和3年)の問題はこちらにあります
2020年(令和2年)の問題はこちらにあります
通関士試験の過去問、3科目目の「通関実務」だけでもこなしたい
それだけややこしい「通関士試験」ですから、試験の準備がある程度進んだら、「通関実務」を優先して過去問に取り組みましょう。
ある程度の準備が進んだら、ですよ。
3科目受験者の合否(合格・不合格)を分けるのは、3科目目の「通関実務」ですからね。
ツイッターを見ると「過去問を何周した」などとつぶやいている人がいますが、ぼくの経験上、そんなにモチベーション(気持ち)を保てる人ばかりではありません。
実際、ぼくも合格した4年目でさえ、手元に手つかずの過去問が残っていました。
それどころか、当日、何らかの事情で試験会場に現れない「受験者(空席)」もかなりいるのです。
だから、もし手を付けられていない過去問、あるいはスクールの模擬試験が残ったら、3科目目の「貿易実務」だけでも手を付けてから試験本番に向かいましょう。
本試験のレベルに慣れないことには、「合格」はおぼつきません。
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過去問を解くのが辛い作業なのはわかっていますよ、ホントに
本試験レベルの問題を解きながら、すべての科目で60点を取るイメージを育てていきましょう。
通関士試験は解説付きの過去問を書店で買うこともできます
税関の場合、過去問が無料で公開されていても、さすがに解説までは付いていません。
解説が欲しい人には、市販の書籍もあります。
たとえば、TAC の通関士試験過去問集は「択一(〇×)」をテーマごとにグループ分けして販売しているので、初学者の人は年度で並べてあるよりも取り組みやすいでしょう。
「似たような択一問題」「似ているけど少し違う択一問題」を連続して解くことで、パターンをつかみやすくなりますからね。
それから、過去問ではないですが、日本関税協会から出ている「通関士試験ゼロからの申告書」は3科目目の対策として、一度は取り組みたい教材です。
「通関実務(3科目目)」の山場、申告書問題の主要なパターンを知ることができます。
特に合格に向けて重要な学習範囲を含んでいます。
通関士試験に限らず、過去問はもっとも大切な教材です
TOEIC や英検、その他の資格試験などにチャレンジしてきて痛感するのは、「過去問がもっとも大切な教材だ」ということです。
英検は各級、過去問が公式サイトで無料公開されているので困りません。
解説が欲しければ、旺文社が安く提供してくれます。
一方、TOEIC は試験問題の持ち帰りができない上に過去問がないので、それに最も近い「公式問題集」で準備をするのがもっとも効果的です。その他の問題集は「公式問題集」のあとで十分でしょう。
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その意味では、「貿易実務検定」は安価な過去問が手に入らないから困りますよね。
- 詳しくはこちら:貿易実務検定C級は無意味?【現役「中の人」が答えます】
でも、実は貿易実務検定、特にC級の場合には、中古の過去問集でも十分、役に立ちます。
合格率が50%前後あり、出題範囲も昔から論じられてきた内容が多いためです。自分に適性があるかどうか知りたいだけなら、中古の参考書や過去問でも問題はありません。
いずれにしても、何かを体系的に勉強、理解したいとき、資格試験は手っ取り早い。
2020年以降、通関士試験に挑戦する、あるいはしようかな、と迷っているのであれば、過去問を確認してみてください。
「この程度の問題なら、勉強さえすれば……」と思えるなら、「適性」があるといえます。
通関士試験は本当に「ややこしい」ので、安易に背中を押したくはないですが、適性があるなら早期合格できるかも。
それも「本物の試験問題(過去問)」を見てみないとわかりませんからね。
この機会に、税関のサイトを覗いてみてください。
それから、もし通関士試験にいまから挑戦するなら、と仮定した記事も書いています。
インターネットやヤフオクをうまく使えば、大きな費用をかけなくても試験対策できる時代です。
- くわしくはこちら:【通関士試験】独学で失敗しない「3つのステップ」とは?
また、効率的で価格も安い「動画で学べる通信講座」についても、別の記事にまとめています。