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フィーダーコンテナとは?|北米、欧州航路を使うなら知っておきたい

貿易実務・事務処理

こんにちは。神高(かんだか)です。

先日、社内の若い同僚から「神高さん、フィーダーコンテナってなんですか?」と質問を受けました。

乙仲さん(通関業者、フォワーダー)と話をしているときに、「オランダのロッテルダムから先はフィーダーコンテナ( feeder container )になります」と言われて、よくわからないまま、その場では話を合わせたらしいんですよね。

なるほど。

せっかくの学びの機会なので、一緒に整理しておきましょう。

フィーダーコンテナとは?|北米、欧州航路を使うなら知っておきたい

ここで乙仲さんが言った「フィーダーコンテナ」とは「フィーダーコンテナ船」、あるいは「フィーダー海上輸送サービス」そのものを指しています。

フィーダー海上輸送とは「巨大な港(メインポート)」から「目的地の港」に運ぶ仕組みのことです。

本来は国内の輸送を指すはずですが、今はアジア域内、欧州域内など、近い場所同士の輸送なら「フィーダー」と呼びます。

貿易実務や海上輸送の業界では「横持ち(よこもち)」と呼ぶこともあります。

フィーダーコンテナが必要なのは、どんな場合か

それでは、フィーダーコンテナが必要なのは、どんな場合でしょうか。

お客さん、あるいは仕入先と売買の契約した時、お互いに大きな港同士であれば「直行便」を使えます。

しかし、地方都市、あるいは北米や欧州など遠く離れた港の場合には日本発着の直行便がないことケースもあります。

神高
神高

飛行機を使って海外旅行に行くときと同じですよね。

ジャカルタなら直行便、スラバヤならシンガポールで乗り換え、とか。

日本から直行便がない港に向けてコンテナ輸送をするときに「フィーダーコンテナ」を使うんですよね。

フィーダーコンテナ輸送と船が巨大化する主要コンテナ航路の関係

「フィーダーコンテナ船」とネットで調べると、造船所のプレスリリースがいくつか出てきます。

そして、フィーダー船がかなり巨大化しているとわかります。

これは「アジアの中で国を超えるフィーダー船」ですね。

  • 1,900 TEU( Twenty-foot Equivalent Unit )とは、20フィートコンテナを1900個積める船を指しています。

ただ、実際に港で見ると、1,900 TEU の船は明らかに巨大船です。

全長172メートルもありますから。

では、世界の主要な港同士をつなぐコンテナ船は現在、どうなっているのか。

これは、ついに 20,000 TEU を超えるサイズの船が出てきています。

ただ、ここまで大きな船になると日本は港のサイズ(水深、ドラフトとも言います)の制限にかかるので、寄る回数はあまり多くありません。

ぼく自身の感覚的からすると、10,000 TEU 前後までの船が多く日本に寄っているイメージですね。

残念な現実ですけれど、世界地図を見てみれば、やっぱり日本はヨーロッパから見れば「極東( far est )」ですし、現在のビジネスの中心は「中国」ですから、大きな貨物の取引は中国を中心に行われています。

Lloyd’s List 100 Container Ports 2019 を翻訳し、「2018年の世界のコンテナ取扱量」をまとめてくれているデータがありますので、あわせてご覧ください。

釜山とシンガポールでのトランシップは日本発なら常に意識したい

カラフルなコンテナ

神戸港、あるいは横浜港から世界の港に向けて貨物を輸出する時、釜山(韓国)やシンガポールの港を経由した「トランシップ」を意識しておくと、輸送のパターンを増やせます。

トランシップ( Tranship ):コンテナを途中の港で積み替えること

特に釜山港( Busan port )は航路の集約が進んでいて、日本には寄港しないけれど釜山には寄港する、という欧州や北米各地の直行便が多数、用意されています。

神高
神高

良い悪いではなく、これは国の考え方の違いなんですよね。

逆に韓国の西側の港に運ぶのは、かなり不便です。

シンガポールは(中国を除けば)圧倒的な取り扱い量を誇りますから、乙仲に相談して適当な直行便が見つからない場合は「シンガポール経由だったら、コスト、輸送期間はどうですか?」などと質問してみましょう。

積み替えがあっても、コスト、輸送期間ともあまり差が出ないケースもありますからね。

ちなみに、先ほどの 20,000 TEU を超える巨大船「 MOL TRIUMPTH 」と「 MOL TRUTH 」を運航している日本のコンテナ船社「 ONE 」もシンガポールを本社に選んでいます。

シンガポールが国際的な海上輸送の中心地となっている、という証拠でしょう。

フィーダー( feeder )の語源は「食べる人や動物」|プリンタにもありますよね

最後に、フィーダー( feeder )の語源についても、触れておきましょう。

feed は「食べさせる」という動詞です。それに「-er 」が付いていますから、「 feeder 」は「人や動物に食べ物を供給する人」を表しています。

それが転じて、何かを「別の場所から供給」するものや仕組みを「フィーダー」と呼ぶようになっています。

「プリンタや FAX に紙を供給するトレー」をフィーダーって呼びますよね。

神高
神高

貿易の専門用語、特に書籍などでは「国内中継輸送」とか「二次輸送」とか呼ばれることもあります。

「 feeder 」や「 feeder ship 」は英語表現として海外の担当者にもきちんと通じますから、必要に応じて使ってみましょう。

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管理人の自己紹介
この記事を書いた人
Tohma Kandaka

神高 十真(かんだか とおま)
1974年生まれ
地方企業(メーカー)の海外営業職
貿易実務、英語などを一緒に学ぶビジタブル|busitable の中の人
通関士試験合格(3科目)、英検1級、TOEIC 900点-(計測中)、日商簿記2級、知財技能士2級など

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