こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。
オリジナル B/Lの ORIGINAL って、どういう意味ですか? と職場の後輩に聞かれました。
「オリジナルは……オリジナルだよ」という答えでは当然納得してもらえないので、今回は「オリジナルとオリジナルじゃないほう」という観点でご説明します。
※ Lading = 荷積み、積載、船積み、船荷、貨物を表す言葉。貿易実務でも、B/L 以外であまり使わない英単語です。
今回の記事を読んでいただければ、以下の内容をご理解いただけます。
- オリジナルBL( ORIGINAL B/L )3部の意味と使い方
- ORIGINAL B/L が3通ある理由
- L/C(信用状)決済における ORIGINAL B/L の位置づけ
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お手数ですが、Original BL (Boys Love)の検索で来られた方は、こちらからお戻りください。
BL にこんな使い方があるとは知らなかった……。「オリジナルラブ」が元ネタかな?
オリジナルBL( ORIGINAL B/L )3部の意味と使い方
オリジナルB/L は、船(船会社)に貨物を引き渡した時に発行される「3部(3通)」のB/L ( 船荷証券 )を指します。
この時、同時にコピーのB/Lも「3通」発行されます。通常こちらが「オリジナルじゃないほう」を意味します。
オリジナルB/Lは「船荷証券(ふなにしょうけん)」とも呼ばれ、「有価証券(ゆうかしょうけん)」としての機能を持っています。
というのも、基本的にはオリジナルの「船荷証券」を1通でも持っている人が、「仕向地(しむけち、貨物の送り先)」で貨物を受け取る権利があるからです。
これは、数億円単位の取引であっても同じです。
つまり、「オリジナルBL」は「貨物そのもの」を意味しています。
では、何故、貨物そのものなのに、3通、発行されるのでしょうか?
オリジナルBL( ORIGINAL B/L )が3通発行されるのは何故?
オリジナルの船荷証券は、慣習上、3通発行されます。
学術的な意味はともかく、これは「紛失した時のため」です。
今でこそ、FEDEX や DHL などクーリエ(国際的な宅配便サービス)が発達しているので、ほとんど紛失は起きませんが、少し前までは「郵送」が普通でした。
当時の郵便は「トラッキング(追跡)のできない国際的な書類の受け渡し」ですから、紛失や盗難のリスクがあります。
そこで、当時は複数枚に分けて「船荷証券」を送っていたのです。
ぼくも「貿易実務」に関わるようになった約20年前、何度か「 2通のオリジナル+1通のコピー」をセットで「輸入者」に送付した経験があります。(ちなみに、D/P = Document Against Payment 取引でした)
これは、コンサイニーに対して、「オリジナルBL 1枚は、何かあった時のためにこちらで持っておくよ」というメッセージでもあります。
オリジナルBL( ORIGINAL B/L )は、L/C決済でも主役
L/C = Letter of Credit = 信用状による取引においても、オリジナルBLはその中心にあります。
L/C 決済では、提出書類の一番最初に 「3通のオリジナルBL」と書かれるのが一般的。
つまり、特殊な場合( BENE CERT 方式など)を除いて、3通のオリジナル B/L を銀行に渡してしまいます。
これは、銀行が指定した「荷受人 = コンサイニー = consignee 」以外に貨物を渡さないためです。
大昔から「取り込み詐欺」という犯罪があります。これは、「商品を買いながら、代金を払わずに貨物だけを取ってしまう」行為を指します。(まあ、簡単に言うと窃盗、泥棒ですね)
一回当たりの金額が大きい国際的な取引では、特に注意せねばなりません。
船ひとつ、いや20フィートコンテナ一つだって、陸地にあれば立派な倉庫サイズ。
20フィートコンテナ = 2 x 6 x 2 m = 12 平米で天井が2 mのスペース = ワンルームマンションくらいですから、たとえば、ここに液晶テレビを詰め込んだら、数千万円単位の金額になります。
貿易に関わるなら、「オリジナルBL 」は「貨物そのもの」、という感覚を、頭の片隅に置いておきましょう。
取り込み詐欺は、「数回の少額取引で信用させた後で大きく発注し、トンズラ」が基本です。
小さな取引で実績ががあっても、油断してはいけません。
【貿易】オリジナルBL( ORIGINAL B/L )3部の意味と使い方|まとめ
いかがでしたでしょうか。
簡単に復習しておきましょう。
BLを斜めの線ありのB/Lと書く時、「/ = スラッシュ」は「 Bill of Lading の省略形」を強調しています。
ですから、取引先との英文メールなどでは B/L と書くほうが目立ちますし、重要性を強調できます。
たとえば、「注文番号 XXX-XXX の BL は サレンダーBL にして、PDF で送ってほしい」という英文メールは、以下のように書きます。
スラッシュを付けた方が目立つ、という感じ、わかっていただけたでしょうか。
貿易実務においては、船荷証券は「基本のキ」といえます。
具体的なイメージとともに理解し、日々の業務で役立ててください。
最後に。
もし、あなたが貿易実務に関わって日が浅いなら、これだけでも読んで帰ってください。
きっと、お役に立てると思います。







