【検証】MOL TRIUMPHとMOL TRUTH|日本が誇る世界最大級のコンテナ船とは?

コンテナヤードの夜景-3貿易実務・事務処理

こんにちは。

とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。

神高
神高

日系大手3社が一緒になった ONE ( Ocean Network Express )に所属する「 MOL TRIUMPH (エムオーエル トライアンフ号)」と「 MOL TRUTH (エムオーエル トゥルース号)」を検証します。

ーなぜ、この2隻が日本にとって特別なのか?

これら2隻(全部で6隻)は、2万 TEU を超える積載能力(キャパシティ)を持っている、という点において特徴的です。

そして、デビュー当時、MOL TRIUMPH を建造した商船三井(通称:エムオーエル、モル)も船の竣工(完成)をプレスリリースとして伝えています。

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)が運航する世界最大のコンテナ船MOL Triumphが3月27日にサムスン重工業株式会社(President and CEO:Dae-young Park、本社:韓国・城南市、以下「SHI」)の巨済造船所で竣工しました。

参照:-「株式会社商船三井」世界最大のコンテナ船MOL Triumph竣工(2017年03月28日付プレスリリース)

「世界最大」の「 MOL Triumph 」が「2017年3月27日」に「韓国」で竣工した、とハッキリ書かれていますよね。

二つの船の名前を並べて確認しておきましょう。

  • MOL TRIUMPH (MOL トライアンフ、 TRIUMPH の意味は「勝利」)
  • MOL TRUTH (MOL トゥルース、TRUTH の意味は「真実」)

MOL はワニのマークが描かれたコンテナ(アリゲータマーク、廃止となりました)で有名な「株式会社商船三井」の略称です。

MOL の正式や読み方は「エムオーエル」ですが、特に会話中では質量の単位のように「モル」と呼ぶ物流関係者もいます。

それから、TEU とは Twenty-foot Equivalent Unit、「20フィート(長い方向が約6メートルという意味)コンテナで換算すると」という意味です。

市街地でもトレーラーに載った状態で見かけますよね。あのコンテナが 20,000 個以上も積めるという意味です。

 

ここ数年、コンテナ船のサイズは徐々に巨大化しており、 20,000 TEU を超える船が数十隻、運航されています。

神高
神高
 
 
 

2隻はいまでも「世界最大級(トップクラス)」。だけど「世界最大(一番)」ではないんです。

毎年のように、記録は塗り替えられていますのでね。

今回は、MOL TRIUMPH、MOL TRUTH、そしてコンテナ船を取り巻く状況について解説していきます。

途中で世界一、コンテナ船を運航するマースクライン(デンマーク)以下、船会社についても紹介しますよ。

MOL TRIUMPH (モル トライアンフ号)がテレビで紹介されます|テレビ東京系列

一言じゃ言い表せないですけれど、番組を見終わった直後のツイートがこちら。

最後の香港での下船まで、ハラハラドキドキ。

そして、再び欧州に向かうという・・・。いつも、すみません。

日本に入る時、フィーダーコンテナ船( Container Feeder )に積み替える( tranship )ところが、やっぱりちょっと寂しいですよね。

2020年6月17日追記:

MOL(商船三井)が公式ウェブサイトであるテレビ番組について発表しています。

プレスリリース:当社コンテナ船「MOL TRIUMPH」に密着(2020年06月11日付)

テレビ東京系列のテレビ番組「巨大貨物船に乗せてもらいました」シリーズ、2018年10月にはコンテナ船 NYK ADONIS(エヌワイケー アドニス号)が紹介されました。

その番組シリーズの3作目として、世界最大級のコンテナ船「MOL TRIUMPH」を紹介する、という企画となっています。

【番組情報(テレビ東京より)】

  • 番組名:「日曜ビッグバラエティ」 “~英国→日本25,000キロ密着52日間 超巨大コンテナ船に乗せてもらいました!~”
  • 放送日時:2020年6月21日(日) 19:54 から 21 : 54
  • 放映局:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、びわ湖放送、テレビ北海道
  • 出演者:キャイ~ン(ウド鈴木、天野ひろゆき)、神田愛花、中川大志

超巨大船を25人の乗組員で運航する様子を、なんと欧州からアジアまで52日(約2か月)もの間、密着取材しているんだそうです。

Ocean Network Express(オーシャンネットワークエクスプレス、ONE )ロゴ入りのピンク(マゼンタ)のコンテナ満載の映像も観られるそうですよ。

本件、注目の番組のようで ONE(日本)の公式サイトもツイートでお知らせしています。

地元岡山でも「テレビせとうち」で放送されるので、リアルタイムで番組を楽しみたいと思います。

ONE ( Ocean Network Express )が生まれた経緯を知りたい方は「コンテナ船の日本連合ONEとNYK、MOL、K-LINEの関係とは?」も参照ください。

MOL TRIUMPH (モル トライアンフ)は韓国の三星重工業で建造された

まずは、MOL TRIUMPH から紹介しましょう。

MOL TRIUMPH (モル トライアンフ)は韓国の三星重工業で建造されたコンテナ船で、つくられた当時は世界一の大きさを誇っていました。

この事実は、ONE となる前の MOL (商船三井)のウェブサイトにも掲載されています。

神高
神高

下の四角い枠(カード)をクリック(タップ)すると、MOL の公式ページにジャンプできます。

2017年3月27日にサムスン重工業(三星重工業)で竣工(しゅんこう、完成のこと)した、とあります。

プレスリリースによれば、この MOL TRIUMPH の後、同じサイズの船が3隻、韓国で建造されています。

MOL TRIUMPH の持ち主は愛媛県今治市の東慶海運( TOUKEI KAIUN )株式会社

M/V “MOL TRIUMPH” の持ち主は、愛媛県今治市の東慶海運株式会社( とうけいかいうん、TOUKEI KAIUN )ということがウェブサイトでの調査(検索)でわかっています。

船の世界では、「船主(せんしゅ)」という大家さんのような立場で船舶の賃貸ビジネスをしている会社があります。

もちろん、借りる方だって相当な資金が必要ですから、とても大きな商いになります。

MOL トライアンフの場合、(おそらく)日本の船主が海外(韓国)で建造して貸し出している、という関係になっているんですね。

韓国で建造された MOL TRIUMPH に続く3隻の船名とは?

その3隻の名前は、以下であることがわかっています。(MOL の後は全部 T で始まります)

すべて、韓国で建造されました。つまり、4姉妹です。

  • MOL TRUST( TRUST の意味は「信頼」)
  • MOL TRIBUTE( TRIBUTE の意味は「貢献」)
  • MOL TRADITION( TRADITION の意味は「伝統」)

MOL TRIUMPH を建造した三星重工業( Samsung Heavy Industries )の場所は?

4隻を建造した三星重工業の場所はこちら。釜山港の近くです。

(広域を見たいときは、+のボタンで縮小してください)

MOL TRIUMPH がどこにいるかを調べるには?|スケジュールや次の寄港地なども

現在、MOL TRIUMPH がどこにいるかは Marine Traffic という海外のウェブサービス(検索は無料)で知ることができます。

スケジュールや次の寄港地なども記載されていますよね。

さて、ここまでは MOL TRIUMPH について一緒に検証してきました。

じつは、MOL TRIUMPH には、日本の造船所で生まれた MOL TRUTH という「姉妹船」が存在します。

MOL TRIUMPH のあと、日本で建造された2隻|最初は MOL TRUTH

これだけ巨大な船ですが、先ほど触れたとおり、この6隻の建造が決まった時のプレスリリースを確認すると、韓国で4隻、日本で2隻建造されたことがわかります。

神高
神高

それでは、「日本で建造された2隻」とは、どこで造られた船なのでしょうか?

MOL TRUTH (モル トゥルース)は日本の今治造船で建造された

つぎは、日本で建造された MOL TRUTH についてみていきましょう。

船の世界では、ペアで建造されたフェリーや貨物船を「姉妹船(しまいせん)」なんて呼び方をします。

日本と韓国、生まれた造船所が違うので、異母兄弟(異母姉妹)の関係とでも申しましょうか。

日本で建造された2隻の最初の船(長女)は MOL TRUTH と名付けられました。

MOL TRUTH (モル トゥルース)は日本の今治造船株式会社(西条工場)で建造されたコンテナ船で、当時、日本で建造された最大のサイズでもありました。

そして、Wikipedia などで調べる限り、2020年でも日本で建造された船の中では最大級です。

(注:かなり近いサイズで、同じく今治造船が建造しあたエバーグリーン(台湾)向けの船もあります)

MOL TRIUMPH 同様、当時の MOL (商船三井)のウェブサイトにもその就航が掲載されています。

MOL TRUTH の竣工は2017年10月31日。

三星重工業が建造した MOL TRIUMPH が竣工して約7か月後のことです。

MOL TRUTH のサイズ、大きさを新幹線と比較すると16両に相当します

プレスリリースには、船のサイズについて説明があります。

  • 全長 : 400 m
  • 全幅 : 58.5 m
  • 型深 : 32.9 m
  • 載貨重量トン : 189,766 MT
  • 積載量: 20,182 TEU

58.5mはともかく、400 mをイメージしにくいので、東海道・山陽新幹線と比べてみましょうか。

新幹線の車両は一つ25mで構成されています。

16両がつながって、約400m(先頭車両は少しだけ長い)。

つまり、新幹線ホーム程度の長さが約60mの幅で続いている、と考えてもらえれば、イメージしやすいでしょう。

MOL TRUTH を建造した今治造船の場所は?

MOL TRUTH を建造した今治造船株式会社の西条工場、場所はこちらです。

MOL TRUTH のあと、MOL TREASURE が建造された

MOL TRUTH の後、日本でももう1隻、建造された船は「 MOL TREASURE 」と名付けられています。

  • MOL TREASURE( TREASURE の意味は「財宝」)

やっぱり、日本で建造された2隻も、MOL の後には T が続くんですね。

なお、世界最大のコンテナ船が何か、という調査はこちらの記事で行っています。

ONE ( Ocean Network Express )は NYK、MOL、K-LINE の3社連合

NYK(日本郵船)、MOL(商船三井)、K-LINE(川崎汽船)が一つのコンテナ船を運航する会社をつくり、ONE ( Ocean Network Express )となった経緯は別の記事にしています。

当時の報道に従えば、ONE は世界第6位の規模のコンテナ船運航会社です。

一方、世界の TOP 3 はいまだに MAERSK (マースク)、MSC(エムエスシー)、CMA CGM(シーエムエーシージーエム)となっています。中国すら、まだ TOP 3 には食い込めません。

神高
神高

この3社はどんどん吸収合併して大きくなってますからね。

ここ10年でもかなり統廃合が進んでいます。

この3社はアジアにもたくさんの船を出していますから、ロゴが大きく書かれたコンテナを市街地で見たことがあるかも知れませんね。

MAERSK(マースク)と LEGO (レゴ)は同じデンマーク同士|コラボあり

世界一、たくさんのコンテナ船を運航している船会社は MAERSK(マースク)です。

港で水色のマークをご覧になったことはありませんか?

そして、 LEGO (レゴ)は同じデンマークですから、「レゴブロックで巨大なコンテナ船を造る」というコラボ商品もあります。

 

≫【 Amazon 】 LEGO(レゴ) 10241 Maersk Line Triple-E レゴ クリエイター 

おもちゃのブロックなのに、デカい……。

中央に積まれたエンジンやスクリュー(一隻に二つあります)など、細部にこだわっています。

ONE ( Ocean Network Express )は 公式Twitter もやってます

ONE ( Ocean Network Express )は DX(デジタルトランスフォーメーション)分野でいろいろな取り組みをされており、身近なところでは公式 Twitter もやってます。

ONE の本社はシンガポールなので、日本語のツイッターは「 ONE JAPAN 」という位置づけです。

Twitter アカウントがある人は、せっかくなのでフォローしてくださいね。

(注:ぼくは ONE の関係者じゃないです(笑))

コンテナ船の建造、運航の分野で日本の企業には頑張ってほしい|まとめ

最後に今回の内容をまとめておきましょう。

数年後、2019年は世界の造船所でかなり大きな動きがあった年として語り継がれそうなニュースがあります。

三菱重工業が大島造船所に香焼工場を売却する、というのです。

ニュースの見出しだけ読むと、日本の造船業だけが厳しい立場に追い込まれているように思えます。

しかし、海運業、造船業の戦場は遠く明治の時代から「 global competition 」、世界を相手に戦い続けてきました。

だから、中国、韓国も同様に苦しいはず。

 

いいか敵は怖い誰だって怖いしかしな向こうだってこっちが怖い。

これは、千秋実さん扮する林田平八(「七人の侍」の一人)のセリフです。

日本の海運業、造船業、それを取り巻く産業。

間違いなく、総力戦です。

メーカーで海外営業、貿易実務にたずさわる者として、日本の造船業、そして船会社を応援したい。

ボードゲームの「モノポリー」よろしく、ゲーム終盤に生き残っていれば、戦う術(すべ)はあるはずですからね。

がんばろうぜ、日本。

 

管理人の自己紹介
この記事を書いた人
Tohma Kandaka

神高 十真(かんだか とおま)
1974年9月生まれ
地方企業(メーカー)の海外営業職
貿易実務、英語などを一緒に学ぶビジタブル|busitable の中の人
通関士試験合格(3科目)、英検1級、TOEIC 900点-(計測中)、日商簿記2級、知財技能士2級など

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