こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。
貿易事務(貿易実務)ってエクセルなどのファイルを扱う業務が多いので、自動化できればずいぶんと作業が楽になります。
そこで、ここしばらく RPA( Robotic Process Automation、ロボティック・プロセス・オートメーション )について、勝手に調べていました。
会社が導入を検討しているわけでもないのに……。
でも、何ができるのかわからないから無料で試したいだけなのに、法人向けの大規模な導入をうたうサービスが多いため、適当な候補が見つかりません。
使う目的がはっきりしているのに、業者から高い見積を間接部門に提示されると何かと面倒です。
RPA の営業マンが「人員削減」を匂わせて貿易実務と関係ない管理者に PR 、なんてことになると本末転倒ですからね。
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ぼくは、チームとして貿易に関する事務作業を効率化して、他のことにエネルギーを振り向ける余力を持ちたいだけなのです。
そんな折、Office 365 に無料で付いてくる「 Microsoft Power Automate(旧 MS Flow) 」に RPA 機能が追加されるとのニュースを読んでビックリ。
個人で契約している Office 365 Business Essentials (月々540円~、消費税別)で RPA をテストできるかも?!
RPAを無料で試す方法、ないですかね?|Office365編
職場が Office 365 を導入しているなら、すでに「基本的な」 Microsoft Power Automate(マイクロソフト・パワーオートメート) の機能は使える状態にあります。
たしか、2019年までは Microsoft Flow(マイクロソフト フロー)という名前でサービスが提供されていました。
ぼくのようなプログラミングができない人でも、たとえば OpenWeatherMap 社(天気予報のデータサービス)の API( Application Programming Interface、アプリケーション・プログラミング・インターフェース )から取ってきた無料の気象データをクラウド上のエクセルに記録して Power BI でグラフ化する、といったことができます。
この「 API があるかどうか」が非常に重要で、API があるウェブサービスなら、正直、だれでも簡単に自動化できるポテンシャルを持っています。
というのも、API は「どんな指示(インプット)を送れば、どんな回答(アウトプット)が返ってくるか」があらかじめ決まっているので、プログラミングができなくとも、目的とするデータをやりとりできるからです。
Web API の活用例をマイクロソフトのサイトから紹介しておきます。
デスクトップ上のマウス操作などを再現する RPA はハードルが高い
今回のマイクロソフトの発表で「 API を持たないシステムとも連携できる」というフレーズに強くひかれたので、いろいろ調べていきました。
ただ、結局「無料」「非常に安価」にデスクトップ上のマウス操作などを再現する RPA はハードルが高いことがわかりました。
なぜなら、CDS(Common Data Service)という月ぎめ契約(サブスクリプション)が必要になるからです。
PowerApps (スマホアプリを簡単に作れるサービス)の時も同じ問題で行きづまりました。
基本的には、個人で契約できる Office 365 からだと、ここから先はハードルが高くなっています。
Dynamics 365( CRM、セールスフォースみたいなの ) とか、PowerApps 、Power BI のデータ共有などと同様、法人が大規模に使ってくれることで成り立つサービス群ですね。
とはいえ、クラウド版の Office 365 との連携は簡単ですから、たとえば「特定の人から届いたメールの添付ファイルを保存して、エクセルに件名と日付をリスト化する」なんてことは Office 365 に付いている 「 Power Automate for Office 365 」だけで簡単に自動化できます。
つまり、貿易実務者(担当者)同士でも、まだまだできることはあるのです。
Office 365 の活用事例:貿易実務をテレワーク、リモートワークする方、予定の方へ|Microsoft Teams の活用法
RPAを無料で試す方法はないものだろうか?|RPA の民主化に期待
マイクロソフトは、BI ツールその他の技術のハードルを下げることを「民主化( Democratization )」と呼んでいます。
ということで、是非ともぼくのような一個人でも安価(無料)で使える RPA が導入されることを強く望みます。
別に、無茶苦茶たくさんの作業やトランザクションをこなして欲しいわけじゃないんです。
たとえば、RPA といっても
- ふるーい勤怠管理システムの「出勤」ボタンをスマホから押す
- 基幹系情報システム( ERP )の「昨日の売り上げ」集計ボタンを毎朝9時に押す
なんて、しょうもないことから始めたいのでね。
マイクロソフトのこれからに、期待しています。