こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。
2020年4月22日(水)、物流総合専門誌の Daily-Cargo (デイリーカーゴ)電子版で通関士の在宅勤務に関する記事が掲載されました。
「人が犬を噛む」なんてつまらない事例を出すまでもなく、ニュースになる、ということは「新しいこと」「驚くべき変化」なわけですが、逆に言えば今後、通関士が「在宅勤務でもできる」仕事として認知されていく分岐点となるはずです。
メーカーで海外営業、貿易実務に関わる立場から、そう考える理由を3つ、挙げていきます。
通関士って在宅勤務できるの?|新しい働き方が進む3つの理由とは
コロナウイルス問題で数千人規模の実績がつくられるから|理由①
2020年、日本全土に広がるコロナウイルス問題を受けて、通関士の在宅勤務が数千人単位で認められるようになりました。
これが、今後、通関士の在宅勤務が増えていく理由の一つ目です。
デイリーカーゴ電子版は、2020年4月22日付の紙面で以下のように報じています。
16日とは、2020年4月16日のこと。
通関士の登録人数は全国で8,216人(2019年時点、税関の発表による)ですから、すでに対象は32%にのぼります。
通関業者(フォワーダー、乙仲などとも呼ばれます)にとって、社内の通関士は知識と経験が集約された「きわめて貴重な人材」ですから、コロナウイルスなどの疾患で抜けられると痛手が大きい。
在宅勤務が申請され、急速に認められていけば、通関士の在宅勤務は珍しいものではなくなります。
事業継続計画(じぎょうけいぞくけいかく、英語: Business continuity planning, BCP)からの観点だけでなく、恒常的な仕組みとして認知されることでしょう。
通関士は財務省の管轄下で「税関長の確認」を受けて登録する職種だけに、「過去の事例、実績」があれば徐々に変わっていきます。
フォワーダー(乙仲)が企業として取り組みを進めているから|理由②
実は、2020年のコロナ騒動以前から、一部のフォワーダー(乙仲、通関業者)は在宅勤務の制度を整えていました。
通関士の在宅勤務が一般化する理由の二つ目です。
具体的な事例をいくつかご紹介します。
阪急阪神エクスプレスは2020年3月のプレスリリースですけれど、郵船ロジスティクスの導入発表は2019年10月3日。
2020年のコロナ問題とは関係なく、「通関士」の在宅勤務を認められるようにしていこう、という動きは大手の物流会社ではすでに検討されていました。
また、中小の通関業者においても在宅勤務の申請が増えている、とデイリーカーゴ紙は報じています。
今回のコロナ問題で、一気に検討から実施への舵が切られた形です。
Shippio (シッピオ)のような IT 企業が参入してきているから|理由③
Shippio (シッピオ)のような IT 企業が参入してきているから。
これが、通関士の在宅勤務が進むと考えられる理由の3つ目です。
デイリーカーゴの記事、二つ目のパラグラフに以下のような注意書きがあります。
つまり、セキュリティーやシステム整備が進めば、在宅勤務は一気に進み、全面的に認められる可能性がある、ということです。
物流業界、特に通関やその周辺の仕事に関しては、正直なところ IT化はそれほど進んでいません。
NACCS(ナックス)という税関と通関業者、保税蔵置場を持つ業者などのオンラインシステムは長年運用されて、アップデートもされてきました。
ただ、ぼくが勤めるような中小のメーカーや商社が提出する書類はいまだに FAX や郵送で処理されていて、インボイス(送り状)一つとっても紙ベースでの仕事がまだまだ残っています。
.jpeg)
通関業者に勤める知人、友人に聞いてみても同じですね。コンテナを借りる、返す、といった通知も地方ではまだまだ FAX が主流だそうです。
とはいえ、この種のギャップに着目したベンチャー企業が現れてきています。
2020年現在、急速に知名度を上げているのが Shippio (シッピオ)。
クラウドサービスを活用するフォワーダーで、2016年6月に設立されました。
2019年11月に10億6000万円の資金調達を行っている注目企業でもあります。
Microsoft Teams や Kintone などのクラウドサービス同様、スマホでもパソコンでも同じデータを似たような感覚で扱えますし、過去のデータが全てクラウドサーバー上に残るので、仕事の引継ぎも楽になるでしょう。
クラウドサービスと在宅勤務の組み合わせは、これからの働き方を変えていくはずです。
通関士は大切にされている|非常時でも物流は止められない
ここまでの内容をまとめます。
通関士って在宅勤務できるの?|新しい働き方が進む3つの理由とは
ここまでの非常時となっても、物流は止まりません。
むしろ「人を不用意に動かさないために、物流を動かしている」。
そんな状態です。
コンテナ船社は、人々の生活と安全を守るために、減便しながら船を運航し続けてくれています。
ですから、通関士やその周辺で貿易実務、ロジスティクスに関わる方々の仕事は「非常時こそ」必要とされる仕事であることを今回のコロナ禍(ころなか)で再認識しました。
「北斗の拳」や「マッドマックス」のような荒廃したヒャッハーな世界にならない限り(いや、なっても)、物流の仕事は必要とされる仕事ですし、我々も感謝の気持ちを持ちたいものですね。
そうそう。
大切なことを最後にひとつ。
コロナウイルス問題を受けて、デイリーカーゴ紙は電子版を2020年5月8日(金)まで無料公開しています。
ログイン画面でユーザーID「free」、パスワード「free」と入力してお読みください。
.jpeg)
年間購読料 84,000円の電子版記事を無償公開。業界に関わる方は勉強させていただきましょう。過去記事も読めますよ。
また、無料期間が終わっても、見出しを配信してくれる「無料メルマガ」もあります。(ぼくも登録しています)
日本経済新聞のような全国紙(一般紙)とはテーマの掘り下げ方が違いますので、この機会に是非、アクセスしてみてください。








