2019年12月13日(金)、新聞各紙は「三菱重工業、長崎造船所の香焼工場売却か」との記事を発表しました。(香焼の読み方は「こうやぎ」です)
ぼく自身は船自体の構造や造船業界には疎い(うとい)ものの、中小企業(メーカー)で貿易実務や海外営業に関わっていますから、かなり驚きました。
というのも、三菱重工は日本で初めてコンテナ船「箱根丸(はこねまる)」を造ったくらいの老舗であって、貿易、物流への貢献度は計り知れないからです。
今回は、その新聞報道のあらましと三菱重工の神戸造船所が建造した「箱根丸」について整理してみました。
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貿易実務に関わる人は、周辺知識として知っておくと良いですよ。
コンテナ船や貨物船への関心が少し、高まりますしね。
注)2019年12月18日付で正式なプレスリリースが三菱重工からありました。
【貿易】三菱重工が長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場を売却?
2019年12月13日(金)、新聞各紙は細かいニュアンスは違うものの、以下のような報道をしました。
- 三菱重工業は、長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場を売却すると決めたようだ。
- 売却先は、長崎県西海市(さいかいし)にある大島造船所(おおしまぞうせんしょ)といわれている。
- 今回の決定で、三菱重工はLNG船(液化天然ガス、Liquefied Natural Gasの運搬船)から撤退することになりそうだ。
- 発表は2019年12月15日(日)の週となるようだ。
香焼工場を吸収する、と報じられた大島造船所(おおしまぞうせんしょ)は同じ長崎県にある造船所で、新聞によっては「日本第三位」とも紹介しています。
たしかに、竣工量(船を完成させた量、プロダクションボリューム)は以下の統計データからわかるとおり、2016年の統計で国内第3位となっています。
今治造船が首位、次いで JMU( Japan Marine United、ジャパンマリンユナイテッド )、3位が大島造船所です。
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国土交通省の資料もネットで見つかりました。同じく、3位は大島造船所です。
それにしても、「今治造船」のシェアの大きさは目立ちますね。
実際、2017年11月、日本で一番大きなコンテナ船も「今治造船」が建造していることがわかっています。
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20,182 TEU(20フィートコンテナなら 20,182 個を積めるサイズ)ですって。
三菱重工、長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場を購入する大島造船所の位置関係
三菱重工、長崎造船所の香焼(読み方:こうやぎ)工場を購入する大島造船所とはどんなところなのか。
大島造船所の公式サイトはこちらです。
- 詳しくはこちら:株式会社大島造船所
- 住所:〒857-2494 長崎県西海市大島町1605-1
ちなみに、三菱重工業の香焼工場は「長崎県長崎市香焼町180」です。
Google Map のルート検索機能で、「三菱重工業長崎造船所 香焼工場」と「大島造船所」、互いの位置関係と距離を調べてみましょう。
同じ「長崎県」ですけれども、約75km、自動車で二時間弱の距離なんですね。
箱根丸(はこねまる)が建造されたのは1968年【案外、新しい】
箱根丸(はこねまる)はNYK(日本郵船)が建造した日本初のコンテナ船として知られています。
完成(竣工)したのは1968年ですから、コンテナ船の歴史って案外、短いんですよ。
戦時中はおろか、高度成長期の終わりごろになってようやく表れてきた「ニューテクノロジー」なわけです。
ぼくが生まれたのが1974年、第一次オイルショックの直後ですから、その少し前ですね。
ちなみに、NYK のコンテナ船部門はいま、MOL、K-LINE と一緒になり、ONE と名前を変えています。
この日本初のコンテナ船「箱根丸(752 TEU)」を建造したのは、三菱重工業の神戸造船所でした。カリフォルニアと日本を結ぶ航路に投入されたそうです。
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カリフォルニア航路で752 TEU って、かなり小さいですね!今なら、関西地区から韓国や上海に向かう船でも、もう少し大きいでしょう。
その神戸造船所は、2010年に商船(コンテナ船とか貨物船とか)からの撤退を決めています。防衛省(自衛隊関係)の船は、造っているようですけどね。
日本の造船業と韓国、中国との競争激化がもたらしたもの
今回の内容を簡単にまとめておきましょう。
- 【貿易】三菱重工が長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場を売却?
- 三菱重工、長崎造船所の香焼(読み方:こうやぎ)工場を購入する大島造船所とは?
- 箱根丸(はこねまる)が建造されたのは1968年【案外、新しい】
今回の報道で、「韓国、中国の造船所が合併で巨大化し、競争力が増す中で日本国内も造船所の統合が進んでいる」という解説が多く見られました。
- 韓国の場合:「現代重工業」と「大宇造船海洋」
- 中国の場合:「中国船舶工業集団( CSSC )」と「中国船舶重工集団( CSIS )」
これらはいずれも各国の最大手が手を組んでいる、という点で、大きな時代の流れを感じます。
また、日本では先だって今治造船と JMU ( Japan Marine United )が提携をすることも発表されているんですね。
ですから、この2019年という年は、日本だけでなく、中国、韓国にとっても節目の年として記憶されるかも知れません。
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厳しい競争だとは想像しますけれども、何とか日本の造船所も強みを発揮してポジション(地位)を保って欲しいですね。






