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海外営業の本質とは?|「受注まで」と「代金回収」の観点で解説します

貿易実務・事務処理

こんにちは。

とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。

何年かおきに、新入社員の研修で海外営業の仕事について話をする機会があるんですよ。

そんな時、海外営業の「受注まで」と「代金回収」について説明します。

一般的に「営業は代金回収までが仕事」と言われます。

このフレーズ、「家に帰るまでが遠足」みたいな意味じゃなく、実はとても深い。

とくに海外営業の場合には、特殊な「事情」があります。

ということで、いつもは職場の若い人にするお話をここでお伝えします。

神高
神高

扱う商品が違っても、あるいは担当するエリアが異なっても、あまり変わらない内容だと思いますのでね。

国内、国外問わず、「代金回収までが営業」と言われる理由

港とガントリークレーン

あなたが新入社員として営業部門に配属されたとしたら、おそらく最初に「代金回収までが営業」と上司・先輩から教えられることでしょう。

これは海外営業でも同じです

むしろ海外顧客との取引のほうがズバッと当てはまっているかも知れません。

というのも、海外のお客さんと取引するときは必ず売買契約書( Purchase Contract、Sales Contract )などの書類、ないしは電子メールやメモ( L/I、Memorandum )などの書物でお互いの契約内容を確認するからです。

言った言わない、の前に、書いたものがあります。

それらの合意、取り決めの中で、支払条件とか納期とかあるいは納品が遅れたときの対応とか、話がこじれたら起こりそうなことが書かれているのです。

代金回収の問題は、おそらく「受注まで」の中に隠れています

商品を発送したのにお金をお客様が払ってくれない。

製品をつくったのに、客先から出荷をストップされて代金を回収できない。

そのような海外営業(つまり、貿易)における代金回収の問題を解くヒントは、おそらく「受注まで」の中に隠れています。

そして、問題解決のヒントも最初の契約書の中にあります。

とはいえ、その文章、字面(じづら)だけ追っても解決は難しい。

というのも、「どこそこの国で仲裁裁判( Arbitration )をしましょう」「ドコソコの国の法律( Governing law )で決着をつけましょう」といくら書類に書かれていても、実行できないなら絵に描いた餅だからです。

回収したい金額が100万円、いや1000万円であっても、現地に出向き、どのような決着をするのか、と何度か議論をするだけでそのくらいの金額は軽くかかります。

製造原価まで考えれば、未回収となった時点でほぼ負けが確定。

ましてや、現地で弁護士を雇ったり、なんてことをしていたら、絶対にペイしません(元が取れません)。

だから、理想をいえば「完全に関係がこじれる前に」対策を取りたい。

一度、壊れかけた信頼の修復が難しいのは、何も男女の関係に限らないのです。

「貿易実務」という事務処理も重要な役割を負っています

「完全に関係がこじれる前」の情報収集は、ふだんの仕事上のメールやFAXのやりとり(コレポン)がものをいいます。

貿易事務とか貿易実務とか、そういう表現をする時、何か決まりきった仕事をしているというニュアンスが含まれているように感じます。

でも、日々のやり取りの中にこそ、色々なヒントが潜んでいる、というのはよくある話です。

急に信用状( L/C )の開設が遅くなったり、取引先の窓口担当者が短期間でどんどん変わったり、なんて状況が出てきたら、普段は訪問していない客先でも海外出張のついでに寄ってみる。

そういった工夫が、関係を完全にこじらせない上で必要でしょう。

だから、インボイスやパッキングリストなどの船積書類をつくる仕事だって、営業活動の重要な一部なんです。

組織の形態にもよりますが、物流部門などが別になっている組織でなければ、海外営業部門、海外調達部門が船積手続きや信用状の取り扱いをするケースもあるでしょう。

人数が限られているんですから。

でも、紙の仕事(書類を扱う仕事)も重要な経済活動なんですよ。

誇りを責任をもって取り組みましょう。

海外営業の本質|「受注まで」と「代金回収」|まとめ

ここまでの内容を目次でおさらいしましょう。

製造業の営業担当って、受注までと代金回収が一回切れるんですよ。

受注して契約書をもらい、社内のシステムにインプットを済ませる。

ここまでは、営業の仕事です

その後、設計部門であるとか、資材・調達部門、製造部門、品質保証部門まで情報が流れます。

契約書の情報に基づいて、リレーが行われて製品が完成すると、再び営業部隊にバトンが戻ってくるわけです。

だから、代金回収は、たとえるなら「契約の答え合わせ」。

そして、たいていはうまくいきます(合格点が取れます)。

しかし、何か問題が起きた時に、その契約の良し悪しが問われます。

通常は、請求書( INVOICE )を出して、信用状( L/C )が開かれて、その条件に基づいて船荷証券( B/L )が発行されて、船積書類一式と為替手形が銀行に買い取られて、銀行から代金が入金されて、売掛金が消えて。

神高
神高

あらためて書くと長い(苦笑)

っていう風になりますよね。

だけど、何十何百と取引をしていくと、中には未回収、あるいは回収が難しくなる問題が発生することもあります(ありました)。

その時に備えて、営業担当は英文の「売買契約の中身」にできるだけ詳しくなっておく方が良いし、後悔も少しは減るんじゃないかなと老婆心ながら思うのです。

もちろん、おじさん(ぼく)もまだまだ勉強や経験が足りないですけどね。

一緒に、この世界でがんばっていきましょう。

貿易実務・事務処理
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管理人の自己紹介
この記事を書いた人
Tohma Kandaka

神高 十真(かんだか とおま)
1974年生まれ
地方企業(メーカー)の海外営業職
貿易実務、英語などを一緒に学ぶビジタブル|busitable の中の人
通関士試験合格(3科目)、英検1級、TOEIC 900点-(計測中)、日商簿記2級、知財技能士2級など

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