今朝ほど、20代の貿易事務スタッフから「コレポンってなんですか?」と質問されました。
どうやら、参事(60歳を越えられています)とぼくの会話に出てきたものの、意味が分からなかったそうです。
ああ、確かにこの言葉、若い人はあまり使わないかもなあ、と思うと同時に、自分の年齢を再認識したのでした。
ということで、今回は「コレポン」の意味と使い方を説明しましょう
コレポンって英語? はい、correspondence の略です
コレポンは英語を略した「業界用語( jargon )」の一種で、correspondence (コレスポンデンス、ポを強く読みます)の略です。
辞書を引くと、おそらく最初に「文通」、続いて「手紙による通信」といった訳が並んでいますよね?
ただ、貿易実務でコレポン、というとき、「交渉や折衝など、何かの目的をもってやり取りする書類」というニュアンスがあります。
ですから、単に船積を終えてインボイスを送ったり、争いごとのない契約書をサインして返送したりすることを「コレポン」とは(普通は)言いません。
電子メールで「コレポン」という風に言うこともありますけどね
何故か、ぼくにとっても懐かしい響きのある言葉です。
何故なのでしょうか。
コレポン、という単語には古き良き時代の響きがあります
感覚的には、割と年配の方、特にタイプライターによる書簡やテレックス、ファックスで文書をやり取りしていた時代を知っている人が「コレポン」という言葉を使うイメージがあります。
昔は、書類であっても国際郵便というだけで運賃がかさむために、わざわざ薄くて軽い紙を使ったり、書類をできるだけ簡潔にまとめて送る回数を減らしたり、といった努力がされていたそうです。
ずいぶん古い話です。
45歳のぼくより20年先輩が「若いころ」の話として教えてくれたので、1980年より前でしょう。
ですから、迷惑メール、スパムメールなんてありえないわけで、一つ一つのレター(コレポン)が大切にされていたんですね。
時差の関係で携帯電話(スマホ)のメールのバッジ(未読のカウンター)が一晩で100を超えるような時代とは違うのです。
「コレポン」を英文の中で使うと意味が通じやすいケースがあります
correspondence という単語は「文通」「文書のやりとり」というニュアンスがはっきりしているので、海外でやり取りする実務者との意思疎通には便利な単語です。
「状況を共有するため、これからも連絡をください」と言いたいのであれば、以下のような言い方ができます。
keep correspondences を使うことで、何度か文章をやりとりするイメージを持ちやすくなっています。
もちろん、Please keep in touch with us for sharing the situation. なんて感じでも良いですけどね。
仕事上の連絡は、連絡が行きっぱなしにならないほうが余計なトラブルも予見しやすくなります。
そういう意味で、使いやすい単語ですね、「コレポン」は。
まとめ:コレポンの精神は電子メールでも役に立ちます
簡単に復習しておきましょう。
ビジネス上のやり取りは、ツールは変わっても言葉が主役です。
そして、貿易実務においては、やはり「英語」が圧倒的な地位を占めています。
ただ、別に難しい英語を書いたり読んだりする必要はありません。
貿易実務の場合、「わかりやすさ」こそが重要ですからね。
その意味では、「コレポン」が広く使われていた時代の工夫や考え方も重要でしょう。
電子メールが全盛の今でも、
- 「どうやったら、早めに返事をもらいやすいか」
- 「どうすれば一つのメールで主旨が伝わるか」
といったマインドは忘れたくないものです。
迷惑メールの山の中に、自分の大切なメールが埋もれてしまう時代ですから。
ぼくなりに「返事をもらいやすいメールの書き方」について書いているので、興味がある方はあわせてお読みください。
詳しくはこちら:貿易実務の電子メール、英文E-mailの構成とサンプルを公開