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【危険】通関士試験の勉強時間、「目安は350時間」なんて信じないで!

貿易実務・通関士試験

こんにちは。

通関士試験に3科目受験で合格している神高(かんだか)です。

通関士になるために、どのくらいの勉強時間が必要か、気になりますか?

「目安は350時間」なんて情報がインターネットには書かれていますけれど、3科目で受験する人はそんな甘言(かんげん、甘い誘惑)を安易に信じてはいけません。

神高
神高

勉強時間を確保することだけが「目標」になってはいけませんから、あえてこんな見解、みたてを書きました。

たしかに通関士試験は、出題される範囲が狭いのと、3科目目の通関実務だけが飛びぬけて難しいので、「センス(特性)」や「前提となる知識」によっては、2か月程度の準備期間でも合格する人が出てきます。

その一方、ぼくのように4年かかってしまう人もいる、というのは、やはり「合格率」「倍率」がキツいから。

通関士試験は合格率が10%前後からせいぜい20%の試験ですから、合格者は10人中1人から2人。

つまり、教室から10人ランダムに選ばれても、その中で1番か2番の成績を取っている必要があります。

だから、結局は通関士の本試験(つまり、過去問)から目を背けないように準備をすることが肝要なのですよ。

最低限の学習時間は必要だけれど、本試験レベルの問題(過去問や公開模試)から逃げていては、得点できません。

はい、ぼくもそこに気付くのが遅れた一人です。

勉強を始めたばかりの頃の自分に、教えてあげたい(涙)。

通関士試験の勉強時間、「目安は350時間」なんて信じないで!

通関士試験は通信教育を使った独学でも合格できるレベルの試験、と言われています。

学習時間は、いろいろありますが、おおむね350時間前後です。

では、350時間を具体的にイメージするために、3つのプランを考えてみましょう。

1.は、「フルタイムの仕事を持っている人向け」のプラン。
2.は、「仕事があっても、少し時間がある人向け」のプラン。
3.は、学生など時間に余裕がある方向けのプラン。
  1. 「平日1時間+土日各2時間」ならば、39週(約9か月)で350時間に到達
  2. 「平日2時間+土日各3時間」ならば、22週(約5か月)で350時間に到達
  3. 「毎日3時間」ならば、17週(約4か月)で350時間に到達

仮に2か月で合格する人なら、おそらく一日6時間近い時間を投入している、というわけです。

ただ、これくらいで「合格」までたどり着けるなら、かなり適正(才能)があったか、もともと貿易の分野で知識や経験があった人でしょう。

というのも、通関士試験はいわゆる「法律系」の資格で、記述式(問いの答えを文章を書く問題)こそないものの、択一式(選択肢から正解、不正解を選ぶ)は他の国家資格とそん色ないスタイルだからです。

もちろん、他の法律系の資格と比べれば、ボリュームも難易度も違います。

弁護士や公認会計士などの最難関の資格と比べると、理解~記憶しておくべき範囲は狭い。

通関士の難易度はそれほどでもない、と主張する人の根拠はそこにあるのでしょう。

しかし、結局は「関税法」や「基本通達」を読み、頭の中で整理し、試験本番で選択肢の正誤を答えられるレベルにしなければならない、という意味では同じです。

独特の形式に慣れるためには、ある程度の時間が必要で、その部分は個人差が大きいのです。

350時間も学習を続けられるなら「合格圏内」には入れます

神高
神高

ちょっと不安なお話をしました。

でも、そこまで恐れる必要もないですよ。

350時間で「合格」できるかどうかはわかりませんが、「合格圏内」に入ることは十分可能です。

ぼくが考えている「合格圏内」とは、以下の3つが揃った状態です。

  • 1科目目の「通関業法」は常に8割以上、得点できる
  • 2科目目の「関税法その他」は常に6割以上(つまり合格ライン)得点できる
  • 3科目目の「通関実務」は5割以上~6割を「狙えそう」(思えるだけでいい)

通関士試験を一度でも受験したことがあればわかると思うのですが、通関士試験は3科目目だけが「ダントツ」で難しく、落とし穴も多い。

「3科目目の通関実務、どこから出ても大丈夫だ」と思えるようになるとしたら、並大抵の学習量ではありません。

少なくとも、ぼくはそこまで知識が整理され、手も動かせる状態に至ることはありませんでした。

その一方で、逆に1科目目と2科目目は、少々学習時間を落としたくらいでは翌年以降も得点力は落ちません。

問題の構成については別の記事に詳しく書いているとおり、得点を底上げしてくれる「穴埋め問題」が3科目目だけ無いのが一番の原因です。

ですから、「あとは3科目目だけが問題だな」というレベルに到達すれば「合格圏内」はすでに見えています。

あとは、年に一回の試験にチャレンジし続けるだけです。

年に1回しかない通関士試験の3科目は「3枚の皿回し」に似ています

通関士試験は、たとえるなら「3枚の皿回し」です。

最初の二つの皿(通関業法と関税法)は、少しの努力で落ちない状態を維持できます。

ある年にそこまで到達すれば、翌年、少しだけ記憶をメンテナンスするだけでいい。

その状態を維持しながら、ダントツで難しい三枚目の皿(通関実務)を回すのです。

でも、3枚目の皿は不安定ですよ。

本当に「意地が悪い」試験問題ですからね。

簡単に合格ライン(60%)を越えさせてはくれません。

まさに、こんな感じ(25秒ほどの動画です)。

皿を2枚回した状態までは、「スクール」や「通信教育」、あるいは「市販本での独学」でも350時間で到達できます。

だから、まずはそこまで「自分に合ったルートで」到達しましょう。

通関士試験の勉強時間、「目安は350時間」なんて信じないで!|まとめ

今回の内容を簡単にまとめておきます。

学習を進める上では、「かけられる時間」も大切ですが「試験問題」そのものと向き合うことがもっと重要です。

試験本番で正答を導き出せるなら、「スコア」はもらえるのですから。

2019年に限っては、2科目目の「関税法」の難易度が高く、2科目受験者(1科目免除者)と3科目受験者の合格率が変わらない、という珍しい現象がありました。

ですから、これからは少し「関税法」の難易度が変わるかも知れません。

とはいえ、「通関実務(3科目目)」の問題構成は変わらないでしょうから、やはり本当の勝負どころは「貿易実務」です。

「あとは『貿易実務』を攻略できれば」というレベルに到達できれば、あとは諦めずに、毎年受験を続ければいつか合格できます。

あとは、「問題をつくる人」の気持ちになってみることでしょうか。

というのも、通関士試験は「法律や基本通達」をベースに問題がつくられるから。

「この業界では、常識ですよ」みたいな内容は問題に出せません。

必ず、根拠になる「法律」あるいは「基本通達」などの「公式見解」があります。

問題をつくる人の「苦労」が想像できるようになる。

その域に到達すれば、演習問題と模擬試験を時々解くくらいでも、十分にレベルを維持できます。

ぜひ、受験勉強、がんばってください。

せっかく、この記事を読んでいただいた縁です。

合格を祈っています。

そうそう。

通関士資格にはメリットがない、という記事をネットで読んだりします。

途中であきらめた、あるいは別の分野の仕事をされていて、活かす機会がない方なのかな。

そんな不安から、試験勉強のモチベーション維持に困っている人に読んで欲しくて、記事を一つ書きました。

資格を取った後の活かし方にも触れていますから、あわせてどうぞ。

受験、やめようかな、と思っているなら、とりあえず受ける理由を見つけてください。

3000円の模擬試験だと思って。

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