こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。
あらためて「外国貨物」って何だろう、と調べていますか?
通関士試験や貿易実務の参考書では、最初の方に「輸出」と「輸入」、「外国貨物」と「内国貨物」の定義が解説されています。
そのあとで、「外国船籍の漁船が公海で採った魚は外国貨物か?」などの事例と練習問題が示されます。
ただ、水産会社にお勤めの方はともかく、一般的なメーカーや商社に勤める方はそのような個別の例や定義を詳細に覚えておく必要はないでしょう。
それよりも、外国貨物、内国貨物について、一定のイメージを持っておいた方が貿易実務や営業部門、資材部門に従事する上で役立つので、一度、ここで整理しておきましょう。
【貿易】外国貨物とは?|内国貨物じゃない、だけじゃない視点とは?
外国貨物は大きく分けると2種類しかありません。
- 外国から到着した貨物のうち、輸出の許可を税関から受ける前の貨物
- 日本から輸出する予定の貨物のうち、税関から輸出の許可を受けた後の貨物
1はイメージしやすいですよね。
海外旅行でマカダミアナッツなどのお土産を買い、日本の空港に到着したとしましょう。
回るテーブルからキャリーやトランクなどを受け取った後、緑と赤に色分けされたカウンターに向かいます。
あの場所は、「税関検査場」と呼ばれ、「外国貨物」と「内国貨物」が切り替わる場所です。
サインした細長い紙(携帯品・別送品申告書)と口頭で手荷物(貨物)の内容を申告します。
そして、必要に応じてカバンの中身を税関職員にチェックしてもらい、輸入許可が出されるわけです。
ケース1の例にしたがい、晴れてマカダミアナッツは「外国貨物」から「内国貨物」になりました。
一方、2はかなり貿易実務の経験を積んだ後もイメージしにくい概念です。
20フィートコンテナに積められた日本製の商品(テレビ、お菓子など)は、税関から輸出の許可を受けた後は、どこにあろうが「外国貨物」ということです。
たとえば、ONE と描かれた街中を走るトレーラーに積まれたコンテナ。
全てではないですが、すでに輸出許可を受けているものが走っています。
これらは市街地を走っていても「外国貨物」、ということです。
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この「外国貨物のまま」輸送することを、保税運送(ほぜいうんそう)と呼びます。
また、神戸港のCY(コンテナヤード)に積まれたコンテナ。
これらの荷物は、コンテナ単位で輸出許可を受けています。
(注:輸出許可を受けていない「内国貨物」のコンテナも混在しています)
当然、それらも輸出許可を受けた後であれば、「外国貨物」です。
すなわち、神戸六甲の摩耶山(まやさん)から見渡すコンテナヤード内にある貨物の一部は、日本国内に在りながら、すでに「外国貨物」なのです。
なお、通関士試験などを受ける人は、法律上は3つめの「外国貨物」も覚えておいてください。
3つ目は、そう、先ほどのお魚の例です。
船の船籍、魚を採った地域、水揚げの場所など、いくつか出題パターンがあります。
ただ、実際の試験に出されれば、基礎的な内容が出され、かつ迷う要素もないでしょう。
外国貨物をあらわす「外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む」という有名なフレーズとその周辺の問題のパターンを押さえておけば十分です。
保税(ほぜい)の考え方と外国貨物、内国貨物との関係
「外国貨物」「内国貨物」は「輸出許可」「輸入許可」の概念と密接に結びついています。
そして、これらの言葉をつなぐ橋渡しをするのが「保税蔵置(ほぜいぞうち)」という概念です。
この言葉も本来は難しい定義があるものの、貿易実務を行う上では具体的、かつシンプルなイメージが理解を助けます。
それは、
というルールです。
- 「外国貨物」が「内国貨物」に変わるのは、税関から「輸入許可」を受けた時
- 「内国貨物」が「外国貨物」に変わるのは、税関から「輸出許可」を受けた時
この2つの前提条件が、「貨物が保税蔵置(ほぜいぞうち)されていること」なのです。
では、「保税蔵置」とは具体的にどのような行為、状態を指すのでしょうか。
「保税蔵置」できる場所を税関は細かく定めている
「保税蔵置」とは、貨物を「保税蔵置」できる場所、実務上は「保税地(ほぜいち)」「保税地域」と呼ばれることが一般的な特定の場所に置くことを意味しています。
法律上、これらの場所は全部で5種類あるものの、かなり脱線するので、その話はまたあらためて。
ここでは、国に登録されている具体例を一緒に見ておきましょう。
税関は、保税蔵置できる場所(保税地)を一つ一つ定めて公表している。
港や空港でさえ、敷地全部が保税地ではありません。
細かくエリアを区分けし、地図や番地で定めています。
この明確に区切られたエリアに置かれた状態の貨物のみ、税関に対して「輸出申告」「輸入申告」をし、許可を得ることができるのです。
密輸(税関申告せずに輸出入を行うこと)を防ぐため、あるいはテロ対策などの観点からも必要な措置とされています。
輸出、輸入と、付随する消費税その他の関係
ここまでの内容をおさらいしておきます。
輸出、輸入、外国貨物、内国貨物という言葉があまり専門的な響きでないだけに、いずれもわかったつもりになってしまう用語ではあります。
しかし、外国貨物か内国貨物かはメーカーや商社にとっては棚卸(たなおろし、在庫の確認をすること)の際にも気にしておかねばなりません。
というのも、外国貨物に関する保管料、運送料などは消費税が免税となるからです。
フォワーダー(通関業者)からの請求書を見て「あれ?この運送料、なんで消費税がかかってないの?」と思ったら、それはおそらく保税運送(外国貨物の運送)です。
こういった細かいところまで、原理原則が適用されているんですね。






