【貿易】T/T決済とは?|Telegraphic Transfer の意味と使い方

為替チャート貿易実務・事務処理

こんにちは。

貿易実務に関わって20年以上、の神高(かんだか)です。

職場の若い仲間から「取引先が電子メールに『支払いを L/C から T/T remittanceに変えたい』と書いてきていますけど、T/T とはどんな意味ですか?」との問い合わせを受けました。

通称、ティーティー。

100% advance payment by T/T みたいな表現ですね。

貿易実務の中で使われているあれば、T/T は Telegraphic Transfer (テレグラフィック・トランスファー)の略です。

  • Telegraphic: 電信(でんしん、電気的な通信のこと)
  • Transfer: 送金(そうきん、お金を銀行口座などに振り込むこと)
  • Remittance: 送金(同じく送金の意味)

「T/T remittance= 電信送金」という訳語が貿易事務などでは充てられていて、単に T/T とだけ書かれることもあります。

あとは、前受金( down payment )を T/T にする、なんて使い方もあります。

  • 契約金額の30%:契約後30日以内に T/T remittance(前受金、前払い、Down Payment)
  • 契約金額の70%: 船積30日前に開設する L/C で決済(残金、後払い、Outstanding Payment)
神高
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今回は、T/T の意味や使い方、なぜこのような申し入れがあったのか、について、一緒に整理しておきましょう。

【貿易】T/T決済とは?|Telegraphic Transfer の意味(仕向と被仕向)

ガントリークレーン

貿易実務の世界で、T/T決済とは「国を超えた銀行同士の送金で決済すること」と認識されています。

まあ、「銀行振込(ふりこみ)」みたいなものだと理解しておきましょう。

銀行同士、というところがポイントで、それぞれの銀行口座の間で口座の所有者の間でお金のやりとりが発生します。

その時、L/C (信用状)取引などと異なり、船積書類などの条件は付きません。

単に払う側( remitter、送金人 )が「送金金額」や「送金時期」を確認すれば、受け取る側( remittee、送金受取人 )の口座に指定の金額が振り込まれます。

一般的には、送金人が銀行に書類を提出する、あるいはインターネットなどで電子的に確認をすれば、指定日に指定された金額が送金されます。

神高
神高

送金する側からみて、「仕向送金(しむけそうきん)」とも呼ばれます。

逆に受け取る側なら「被仕向(ひしむけ)」ですね。

営業部門であれば、社内の会計部門などとやりとりする時に「このインボイスに当たる被仕向、当座に入金されてませんか?」みたいな使い方をします。

この「仕向(しむけ)」「被仕向(ひしむけ」は銀行と電話や打ち合わせをするときにも使われる用語なので、憶えておきましょう。

それでは今回、買主(かいぬし)が L/C の代わりに T/T を提案してきた理由は何でしょうか?

なぜ、買主(かいぬし)はT/T決済を提案してきたのか?|T/T のリスクとは?

ごめんなさい。

今回、買主(かいぬし)が L/C の代わりに T/T を提案してきた「本当の理由」はここ(ブログ)では書けません。

ただ、一般的には、L/C(信用状)決済 を T/T 決済に変更したい、ということは、L/C 決済では何らかの不都合が買主側にある、と考えられます。

  • L/C (信用状)を開設できない事情が買主側にある(できない)
  • 手数料やその他の事情で、L/C (信用状)をやめたい(したくない)

いかにもありそうなのは、上記のいずれかでしょう。

この時、貿易事務(船積をして代金回収をする担当)であれば、上司に相談の上で営業担当(海外営業、といった部署名の企業もあります)にもこの情報を伝えるべきです。

というのも、客先(買主)側に何らかの変化が生じている可能性が高いからです。

契約書の中でも代金決済方法は重要な条件の一つですから、売主、買主、お互いに合意し、さらに何らかの書面を交わしてから変更をするべきです。

神高
神高

特に L/C 開設ができない、という時は買主側の資金繰りが悪くなっている可能性までありますから、営業部門へ早めに相談しましょう。

前受金を T/T で決済し、残金を L/C 決済とする使い方もあります

DHLの貨物専用機

貿易の世界では、代金の一部を前受金(まえうけきん、手付金などの前払い)を T/T で決済して、残りを L/C 決済とする取引も行われています。

  • 契約金額の30%:契約後、〇〇日以内に T/T remittance(前受金、前払い、Down Payment)
  • 契約金額の70%: 船積△△日前に開設する L/C で決済(残金、後払い、Outstanding Payment)

といった具合ですね。

T/T は送金を実行(じっこう、と銀行の業界は呼びます)するタイミングを送金する側( remitter )が自由に決められるので、貨物の出荷のタイミングや客先(買主)の動きを見ながら、次のアクションを変更できます。

たとえば、〇〇日以内に送金がなければ督促(とくそく)をする、さらに□□日が経過したら貨物の出荷を取りやめて新しい納期を設定する、といったこともできるわけです。

T/T をうまく使えれば、扱う商品のリードタイム(仕様決定や製造に必要な日数)や品質を保つ期間(錆びたり腐ったりするものであれば)にあわせて決済方法を決めていくこともできます。

その点、L/C (信用状)だけの決済は日本と外国、二つの銀行が決済の条件に関わってきますから、T/T ほどの自由度をもって動くことは難しいのが実情でしょう。

神高
神高

前受金は「買う側」からすれば怖い仕組みですから、そもそも受け入れられない可能性もあります。

まとめ:T/T決済、Telegraphic Transfer の T/T は他にも使われます

最後に、今回の内容をまとめておきましょう。

貿易実務に関わっていると T/T という形式で Telegraphic Transfer という用語に接していますが、実はこれ以外にも営業や資材部門であれば、ふだんから目にしている TT を含む略語があります。

それは、TTS と TTB です。

  • TTS: Telegraphic Transfer Selling rate(銀行から見て「売る」為替レート)
  • TTB: Telegraphic Transfer Buying rate(銀行から見て「買う」為替レート)

固い訳語をあてると、それぞれ「対顧客電信売相場(たいこきゃくでんしんうりそうば)」「対顧客電信買相場(たいこきゃくでんしんかいそうば)」となります。

神高
神高

こういった用語を互いにリンクさせて憶えていけば、いざという時にイメージしやすくなりますよ。なかなか、憶えられませんけどね。

管理人の自己紹介
この記事を書いた人
Tohma Kandaka

神高 十真(かんだか とおま)
1974年9月生まれ
地方企業(メーカー)の海外営業職
貿易実務、英語などを一緒に学ぶビジタブル|busitable の中の人
通関士試験合格(3科目)、英検1級、TOEIC 900点-(計測中)、日商簿記2級、知財技能士2級など

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