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Letter of Indemnity (LOI) の意味と使い方|サインしてもよい書類なの?

貿易実務・事務処理

こんにちは。

とあるメーカーで貿易実務に関わって20年超の神高(かんだか)です。

船会社から LOI (Letter of Indemnity) を受け取ったけど、これって何だろう?って思っていますか?

貿易実務のテキストなどでは解説をほとんど見たことがない書類ですが、実際の貿易実務では時々出くわす Letter of Indemnity(略して LOI)。

これは、船会社が自社の立場を守るために発行する、免責を申し入れするための書類です。

職場の別の部署の同僚から「これ、何の書類ですか?」と質問があったので、解説していきます。

神高
神高

ちなみに、商談で使うメモランダム、いわゆる基本合意書(LOI, Letter Of Intent、L/I とも)とは違いますからね。同じ略称を使うからややこしい……。

Letter of Indemnity (LOI) の意味と使い方|サインしてもよい書類なの?

LOI、一般的には、こんな形式の書類をフォワーダー(通関業者)経由で受け取ることになると思われます。

[会社のロゴまたはヘッダー]

Letter of Indemnity

[日付]

[受取人の名前と住所]

Dear [受取人の名前],

We, [船会社の名前], with a registered address at [船会社の住所], hereby issue this Letter of Indemnity in favor of [受取人または関係する第三者の名前と住所], in relation to the transportation of [貨物の説明], under Bill of Lading number [提供された場合、船荷証券番号].

We acknowledge that during the transportation of the aforementioned goods, certain situations may arise that could potentially lead to claims against us. These include, but are not limited to, loss, damage, or delay of goods, and any discrepancies in documentation.

Therefore, we hereby agree to indemnify and hold [受取人または関係する第三者の名前] harmless against all losses, damages, claims, liabilities, costs, charges, and expenses of any nature whatsoever, which you may suffer or incur arising out of or in connection with the transportation of the aforementioned goods.

This Letter of Indemnity is governed by the laws of [適用法令の国または地域], and any disputes arising out of or in connection with this letter shall be subject to the exclusive jurisdiction of the courts of [裁判管轄区域].

This Letter of Indemnity is issued without prejudice to any rights we may have under the Bill of Lading or the law, and is subject to the condition that any payment under this Letter of Indemnity shall only be made against the presentation of this original Letter of Indemnity, duly signed and stamped as received.

Yours faithfully,

[船会社の代表者の署名]

[船会社の代表者の名前]

[船会社の代表者の役職]

[船会社の名前]

Acknowledged and Accepted by:

[受取人または関係する第三者の署名]

[受取人または関係する第三者の名前]

[受取人または関係する第三者の役職]

[日付]

いろいろと書いていますが、要するに「輸送中に何かあっても船会社は責任を持ちませんよ」といったことが書いてあり、最後に Shipper(輸出者)がサインをする欄がある、という形式です。

この書類、サインしても良いのでしょうか。

Letter of Indemnity (LOI) は基本的にサインするしかない|なぜなら……

ビジタブル -- busitable --

結論からいえば、LOI はサインするしかない、というのが Shipper の立場です。

というのも、この書類が出てくる、ということは、船会社、あるいは船側が

「あ~、この荷物、運びにくいなぁ」

と思っていることは間違いないからです。

あるいは、すでに船積をして B/L を発行する段になって、船会社側にとって何らかの懸念がある状況だから。

たとえば、しっかり梱包された冷蔵庫をコンテナで輸出する、高さも2mないのでドライコンテナに入る、なんて場合に、こんな書類(LOI)にサインさせられることはありません。

LOI が出てくる、ということは、船会社としては極論「お金をもらうから言いにくいけど、本音じゃ運びたくないよ。簡単な貨物じゃない。」という判断をしているからです。

となると、ほかに輸送手段があるなら別ですが、基本的に Shipper は LOI にサインするしか手はありません。

もちろん、書類の文言を交渉する、ということはできます。

ただ、船会社は仕事が取れなくても仕方ない、くらいの覚悟で LOI を出してきていることを理解しておく必要はあります。

さて、あらためて、LOI には、何が書かれているのでしょうか。

Letter of Indemnity (LOI) に書かれていること(翻訳)

メインに当たる部分を、簡単に翻訳してみます。

私たち [船会社の名前](登記上の住所: [船会社の住所])は、船荷証券番号 [船荷証券番号が提供された場合] に基づく、[貨物の説明] の輸送に関連して、[受取人または関連する第三者の名前と住所] に対して、本免責保証書を発行します。

私たちは、上記の貨物の輸送中に、私たちに対して請求が生じうる潜在的な状況が発生することを認識しています。これには、貨物の損失、損害、遅延、または文書の不一致などが含まれますが、これらに限定されません。

したがって、上記の貨物の輸送に関連して発生する、あらゆる性質の損失、損害、請求、責任、費用、料金、及び支出に対して、[受取人または関連する第三者の名前] が被る可能性のあるものや、負担するものについて、私たちはここに免責し、保持することに同意します。

本免責保証書は、[適用法令の国または地域]の法律に基づいて管理され、本書に起因するまたは関連するいかなる紛争も、[裁判管轄区域]の裁判所の専属的管轄権に服します。

本免責保証書は、船荷証券または法律に基づく私たちの権利を損なうことなく発行され、本免責保証書のオリジナルが適切に署名され、受領印が押されて提示された場合にのみ、本免責保証書に基づく支払いが行われることを条件とします。

ということで、個別の貨物、今回の輸送について免責を宣言しているような内容となっています。

Letter of Indemnity (LOI) の意味と使い方|まとめ

ここまでの内容をまとめておきます。

LOI は船会社によっていろいろな形式がありますが、基本的には同じような内容。

おそらく、何十年も前から書かれていることは変わっていないのでしょう。

場合によってはオリジナルの書類が残ってないのか、何十年も前に作られたとおぼしき、文字がつぶれたようなフォームを FAX で送ってくることもあります。

この書類をあなたが受け取った、ということは、大なり小なり、輸送にリスクがある(少なくとも、船会社はそう判断している)ということです。

  • クレーン作業がしにくい
  • ラッシング(荷物の固定、固縛)しにくい
  • 信じられないくらい重い
  • 不安定な形状で置きにくい
  • 梱包の中で荷崩れしやすい

などなど。

したがい、海上保険その他でのバックアッププラン、場合によっては Consignee(受け荷主)と事前に相談しておくなど、十分な準備が必要でしょう。

最後に。

「よくこれだけの量の英文を翻訳できるなあ」と思ってくれたあなた。

実は、一発目はプライベートで契約している ChatGPT に翻訳させています。

ChatGPT はもともと英語で動くので、ときどき英語を使う貿易実務や海外営業、海外調達のような仕事とは非常に相性が良い。

もし、まだ使っていなかったら、無料版もあるので、さっそく試してみてください。

あ、でも実際の仕事に使うときは「情報漏洩」と「著作権」には注意してくださいね。

あと、時々、自信満々に嘘、ハルシネーション (英語: hallucination)を出力することもあります。

神高
神高

ハレーション、じゃないですよ(笑)。

といいつつ、ぼくも最初は勘違いしていました。

過去の自分の経験や知識と照らし合わせて使うことが大切です。

では、日々のお仕事、がんばっていきましょう。

神高(かんだか)でした。

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管理人の自己紹介
この記事を書いた人
Tohma Kandaka

神高 十真(かんだか とおま)
1974年生まれ
地方企業(メーカー)の海外営業職
貿易実務、英語などを一緒に学ぶビジタブル|busitable の中の人
通関士試験合格(3科目)、英検1級、TOEIC 900点-(計測中)、日商簿記2級、知財技能士2級など

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