こんにちは。
とあるメーカーで貿易実務、海外営業に関わって20年超の神高(かんだか)です。
英語版の見積書サンプルを探していますか?
このブログ「ビジタブル」でも、時々、キーワード検索されているようです。
ごめんなさい、見積書(英文)の用意はありません。
ただ、扱う商品や製品によって、書くべき内容がずいぶんと違う、といった事例はお話できます。
ということで、英語版の見積書を作るときの基本的な考え方、注意点を自分なりにお伝えしたいと思います。
見積書の英語版サンプルを探している方へ|製品や商品によって違うけれど……

英語で見積書を作ろうとしているということは、おそらく日本の商品や製品を海外のお客(候補)に売ろうとしているんですよね。
その時、注意しておきたいのは、以下の3点です。
すでに社内に英文見積書、英文契約書があるなら、まずはそれをよく読む|注意点①
すでに社内に英文見積書、英文契約書があるなら、まずはそれをよく読む。
これが注意点の一つ目です。
というのも、一般的なメーカーや商社であれば、扱う商品は一定の範囲で、顧客の種類も限られているからです。
その上に立って、先人たちが作ってくれた見積書や契約書を利用しない手はありません。
- 所掌範囲(Scope of Supply)
- 支払い条件(Terms of Payment)
- 補償内容(Warranty, Guarantee)
- インコタームズ (INCOTERMS)
そのほかにも、Act of God (Force Majeure) 見積もり有効期限の決め方に至るまで、商習慣のようなもの、客先が受け入れられる条件などのノウハウが込められています。
インターネット上に落ちている見積書のサンプルをいくつか読んだことはありますが、予想以上に自分の属する業界ではそのまま使えないな、と感じることが多い。
それだけ、扱う商品やサービスによって、「常識」が違うのでしょう。
英文見積書の書き方、という参考書はないが、英文契約書の書き方を解説した書籍が参考になる|注意点②
英文見積書の書き方、という参考書はないが、英文契約書の書き方を解説した書籍が参考になる。
これが二つ目の注意点です。
書店に出向き、英文見積書の書き方、なんて本を探したところで、見つかりません。
インターネットにも、海外のサイトにはいくつか事例がありますが、適当なサンプルを見つけるのは難しい。
というのも、英文見積書の書き方を学ぶ、ということは、ある意味、英文契約の作法を勉強するのと同様だからです。
たとえば、物品の売買を前提にした見積書には「支払い条件」の欄が必ずあります。
50% を発注時に T/T で支払い、残り50% を信用状で支払う、といった具合に。
ただ、これは「見積書」に限った話ではなく、「契約書」にも同様の記載がされます。
つまり、自分が今、使っている見積書の表現が妥当なのか知りたい、場合によっては改善したい、ということであれば、英文契約書の基礎、といった書籍を参考に、基礎を学べばよいのです。
別に「見積書」にこだわる必要はありません。
ちなみに、英文の売買契約書、秘密保持契約、といった類については、信頼できる書籍を一つ、紹介した記事を書いています。
関連する解説記事:はじめてでも読みこなせる英文契約書 (Asuka culture) 本郷貴裕(著)
見積書と契約書は「友達になる」のと「結婚する」くらい違う|注意点③
見積書と契約書は「友達になる」のと「結婚する」くらい違う。
これが三つ目の注意点です。
見積書も英文による契約のスタイル(表現)ではありますが、実際に契約を結ぶことと見積書を出すことは「結婚」と「友人関係」くらい違います。
というのも、一般的に、見積書にはお互い、合意する目安としての有効期限が設定されますし、subject to the confirmation of…(○○の確認を条件とする) や E & OE(書き損じ・脱漏を除く)などの逃げを入れ込むことも多いからです。
しかし、契約締結後となると、そうはいきません。
売買契約ならば、買主は支払い条件は履行せざるを得ませんし、売主は品質を満足する製品を決められた期限内に輸出することになります。
契約書の中には、不履行の場合のペナルティ(遅延の際の対応なども)への言及もあるでしょう。
ただ、このあたりは、見積書の段階では書かないケースも多いだろうと想像します。
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まあ、業界や製品によるだろうとは思いますが……
だって、最初の(初期)見積書なのに、「Delay Penalty」「Liquidated damages」に対する逃げの文章が満載だったら、「おいおい、取引して大丈夫か?」となりかねませんからね。
その意味でも、過去の事例があるのであれば、そのラインを参考にするべきです。
あまり予防線ばかり張っていては、次のステップに進めないでしょう。
まとめ|見積書の英語版サンプルを探している方へ

ここまでの内容をまとめておきます。
基本的には、見積書は引き合い(inquiry)に対する最初の答えなので、できるだけ早い対応をしたいところです。
たとえば、「部品の供給メーカーとの協議を考えると、1週間程度の検討時間が欲しい」程度であっても。
目がない、となれば、次の候補を当たる時間を与えて差し上げるのも、優しさです。
なーんて、言っているぼくも、いろいろな事情で見積提示には時間がかかってしまうのですが……。



