【貿易】ETA と ETD、貿易実務で便利な略語・用語の意味と使い方とは?

コンテナ船貿易実務・事務処理

貿易実務に関わると、ETA、ETD、BT-BTFI+ST などの貿易用語(略語)が当たり前のように メール本文などに書かれます。

でも、せまい分野で使われる用語なので、慣れるまで時間がかかりますよね?

これらの中から、今回は憶えておくと便利な「 ETD、ETA 」をくわしく解説します。

神高
神高
  • ETA = Estimated Time of Arrival( Arrival = 到着)
  • ETD = Estimated Time of Departure(Departure = 出発)

この「A と D のペア」に注目してくださいね。

 

さらに、実際の貿易実務の中で役立つように、以下の内容も解説します。

  • 貿易実務での具体的な使い方とは?【国内、海外の事例】
  • 相手に伝わりやすい「書き方」とは?【英文メールのサンプルあり】
  • コンテナ輸送で注意すべき「トランシップ( tranship )」とは?

 

神高
神高

使い方を知り、「しっかり伝わる」ことがわかれば、仕事上の電子メールのやりとりさえ楽しくなりますよ。

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貿易で ETA は港に到着する時期を、ETD は港から離れる時期を表します

ETA、ETD には、Estimated (エスティメイテッド)=「予測(予定)される」が含まれています。

それぞれ、以下の意味を表しています。

  • ETA = Estimated Time of Arrival( Arrival = 到着)【到着予定時期】
  • ETD = Estimated Time of Departure(Departure = 出発)【出発予定時期】

それぞれ、Arrival は Arrive(到着する) の名詞形、Departure は Depart(はずれる、出発する) の名詞形となっています。

英文でメールや書類に書くときは、次のように書きます。

ETA Shanghai Port, China : 23/SEP/2018 (SUN)

※ 意味:上海港 到着予定 2018/9/23(日)

神高
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この種の連絡では、日付の打ち間違い、年や月の勘違いを防ぐため、できるだけ曜日を入れるようにするといいですよ。

ETA、ETD のすぐ後ろに「場所(港や指定倉庫など)」、その次に「日付」を書きます。

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ETD、ETA が使われている具体例 – 船舶のスケジュール管理

ETD、ETA の表現はもともと、船を運航するために使う用語なので、本船(ほんせん、貨物を積む船)の情報を共有するときに便利です。

たとえば、こちらの日本に出入りする船の運行情報をまとめている会社では、港を基準にして「 ETD 上海 」「 ETA 神戸 」などと情報を一覧表示してくれています。

↓↓ < 使用事例 > ↓↓

ちなみに、飛行機でも同じです。

海外旅行、海外出張するとき、国際空港の掲示板にも同じく、旅客機の「 ETA、 ETD 」が表示されているので、探してみましょう。

 

神高
神高

次に、E-MAIL などの本文中でどう書くか、具体的な事例で見ていきましょう。

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ETD、ETA をメールや FAX で使うときの「書き方」

たとえば、CIF (=「出す側(売る側)」が積む船を選び、運賃や保険料も負担する条件)で産業用の電動機(モーター)3台を「神戸」から「シンガポール」まで輸出する契約を結んだとします。

自社、あるいは乙仲業者(=通関業者、フォワーダー)経由で日本側から船便を予約した後、「輸入者(買主)」に対して、以下のサンプルのような電子メールを打ちます。

本船(貨物を積む船)の情報を正しく「輸入者側」に伝えるのが目的です。

We have booked M/V “NYK ADONIS” (V.039W) as follows:

  • ETD KOBE, JAPAN: APR. 06, 2018
  • ETA SINGAPORE: APR. 16, 2018

for a shipment of three electric motors, PO No. 123-4567.

 

  • M/V “ナントカ” は船名。 M/V = Motor Vessel (発動機船)に由来します。
  • V.039 は外航船(海外と行き来する船)のVoyage No. (ボヤージュナンバー)と呼ばれる数字で、何回目の航海かを表しています。同じ船が何度も SINGAPORE に寄るとしても Voyage No. を示すことで具体的な時期を特定できます。

 

買主側は、 ETD や ETA の情報を元に、売主に対して以下のような情報が返されます。

「了解。このまま、船積み準備を進めてください」
「日程に余裕がないので、可能なら1週間程度、早い船にしてください」
「4月中旬以降 ETD の船を選んでリスケ(reschedule、予定の変更)してほしい」

 

どの程度の日数がかかるのか、どこから積むのか、などの情報がこのシンプルなメールで明確になっているため、関係者は簡単に情報共有できます。

もし、あなたがメール本文でベタ(改行なし、箇条書きなし)にスケジュールを書いているなら、次回の連絡でこの表現を試してみてはどうでしょうか。

「本文」と「箇条書き」の部分が明確になることで、最も重要な「日付や時間」がはっきりします。

貨物がいくつかあるなら、エクセルで作成した一覧表に「 ETD 」「 ETA 」と見出しを付けて、全体として管理すれば便利です。

 

神高
神高

ところで、この ETD と ETA、「日本国内の輸送」でも便利に使えるのをご存じですか?

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ETD、ETA は輸出や輸入をともなう国内輸送でも便利に使えます

輸出を伴う日本国内の輸送では、工場や倉庫からの発送がいつで、貨物の到着がいつ、という情報を共有する必要があります。

そのとき、国内同士でも、この ETD や ETA を使うことがしばしばあります。

たとえば、メールや FAX で以下のように箇条書きで連絡すれば、輸出に関わる部署や取引先同士なので、理解が簡単になります。

 

一つの例をご紹介します。

  • ETD 弊社明石工場 2018年9月12日(金)3:00 PM
  • ETA 門司指定倉庫 2018年9月15日(月)8:00 AM
  • 車両番号 姫路44 さ34-XX、運転手○○、携帯電話 090-XXXX-XXXX

 

このメモにより、「ああ、週末をはさんで宵積み(注:よいづみ、と読む。宵(夜)越しの貨物、オーバーナイト)が月曜日の朝に届く」といった情報を簡単に共有できます。

受け取る倉庫側も貿易のプロなので、ETD や ETA を使うとイメージを共有しやすいのです。

この後、貨物を受け取る側から、

「了解。いつの船に積むんだい?」
「土曜日も貨物の受け取りはできるけどこのままでいいかい?」
「倉庫が手狭だから1週間延ばせないかな?」

といった返事がきて、海外同様、船積み準備のやりとりが続くことになります。

 

さて、最後に ETA、ETD とも関連する「積み替え」の問題をみておきましょう。

長距離の「コンテナ輸送」にありがちな「トランシップ(積み替え)」のことです。

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貿易でコンテナ船の積替(トランシップ)がある時は、船積後も要注意

コンテナ船社はいろいろな戦略に基づいて、より早く、より安く、世界中の貨物を輸送するべく、努力しています。

その中に、transhipment(積み替え、トランシップメント、単にトランシップとも言う)という用語、考え方があります。

 

日本から欧州地区にコンテナを輸送するとしましょう。

そのとき、途中の港で一旦降ろして積み替えることをtranshipment( sを重ねて、transshipment と書くこともあります)と呼びます。

たとえば、コンテナ数が10,000個を超えるような大型船は、港の設備や貨物の取扱量の大小に応じて、寄港する港湾都市を選びます。

そして、欧州最大級の港、ロッテルダム(オランダ)には寄るけれども、アムステルダムには寄らない、ということが起こります。

この場合、ロッテルダムからアムステルダムまでの輸送を transhipment (トランシップメント)と呼びます。

この用語は、船だけでなく、陸送、空輸にも使えます。

 

神高
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ちなみに、この種の比較的短い距離を運ぶコンテナ船をフィーダー船と呼びます。

 

transhipment を伴う場合、各港に「いつ着いて」、「いつ再出荷される」のか、という情報はより大切になります。

というのも、輸入者(買主)は輸入通関の準備がその最後の輸送日程で変わるからです。

コンテナ船といえども、予定したスケジュール通りに到着できないこともあります。

だから、乗り継ぎする予定だった船に間に合わない、ということも起こりえます。

そんなとき、輸出する側がメールや FAX などに、このように箇条書きしておくと対応しやすくなります。

  • 1st Vessel: M/V “NYK ADONIS” ( ETD KOBE APR. 06, 2018 – ETA ROTTERDAM MAY 08, 2018, V.039W )
  • 2nd Vessel: M/V “ABCDE No. 5″( ETD ROTTERDAM MAY 12, 2018 – ETA AMSTERDAM MAY 14, 2018 )

 

こうしておけば、「電車の乗り継ぎ」のように、貨物の流れがわかりやすいですよね。

積み替え(トランシップ)がある時は特に気を付けて情報を最初から共有し、到着する時期が近づいたら本船のスケジュール(動静<どうせい>とも呼ばれます)が最終的にどうなるか、輸出者(売主)は輸入者(買主)と情報を共有していくべきです。

 

神高
神高

受け取った相手が上司や同僚に「情報を渡しやすく」「書き換えの要らない」シンプルな表現にしておくと、お互いに仕事を進めやすくなります。

 

そして、共通の目標、「スムーズな輸入」に向けて準備を進めていきます。

本当に怖い Demmurage の記事でも触れたように、こうしたやりとりが、売主、買主、双方の余計なリスク( Arrival Notice、アライバルノーティスの未着 )などを避けることにつながります。

 

貿易に関わるもの同士であれば、ETA、ETD という略語はストレートに意味が伝わりやすい。

これは、間違いありません。

うまく活用していけば、スケジュールの変化も含めて、簡単に情報共有できます。

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まとめ:略語を活かして、より良いコミュニケーションを

ETA、ETD とも、略す前の英語をイメージしておくと覚えやすいので、おさらいしておきます。

  • ETA = Estimated Time of Arrival( Arrival = 到着)【到着予定時期】
  • ETD = Estimated Time of Departure(Departure = 出発)【出発予定時期】

 

最後に、貿易実務のコミュニケーションについて、触れておきましょう。

当たり前過ぎて忘れてしまいがちですが、輸入者(買主)側の実務担当も、英語が母語とは限りません。

欧州、あるいはアジアとの貿易の場合、相手も企業に属する担当者であることが多いでしょう。

そして、われわれと同じように、英語や貿易の知識は学校や独習で身に着けた人々です。

 

誰もが、初めから専門家だったわけではありません。

したがい、メール本文に文章を長々と書いても、逆に誤解を生む可能性があります。

その意味では、INCOTERMS は当然ながら、ETA、ETDなどの略語も、正確な共通認識を持つ上で大きな助けになります。

 

英語でのやりとりをベースとしつつ、便利な言葉、表現、ツールを使うのに遠慮は要りません。

それは、なにも文字情報だけに限りません。

 

たとえば、Skype によるテレビ電話やファイルの共有なども、貿易実務の場合は同じ人同士と情報を共有することが多いので便利です。

伝わりにくい内容があれば、最初にメールや電話をし、相手の了解を得て Skype でつなげばスムーズにやりとりが進むでしょう。

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AI翻訳サービス「COTOHA Translator」 が示そうとしている未来【追記】

英語での意思疎通という意味では、AI 翻訳サービスの進化も、すさまじいものがあります。

御社は、社外に委託している翻訳業務がありますか?

あるいは、社内に翻訳、通訳の専門チームを持っている、など。

たとえばメーカーであれば、翻訳の優先順位の高いのは、マニュアル、契約書、広告、海外子会社向けのチェックシートなどでしょうか。

ただ、書類によっては、そこまでのコストや工数をかけられない、ということで、後回しになるでしょう。

 

コストがかかる以上、何もかも「翻訳」するわけにはいきません。

「海外拠点との簡単なやりとりにしても、社内資料の下訳があれば、ずいぶん楽なのに……」

 

そういったニーズを見越して開発されたのが、AI翻訳「COTOHA Translator」 。

NTT コミュニケーションの新サービスです。

Word、Excel などだけでなく PDF でも、ファイルをドラッグアンドドロップするだけで、TOEIC 900点を超えるレベルの英文翻訳を一瞬でしてくれます。

 

ただ、ミニマム(最低限)の契約が月々8万円の1年契約なので、個人で契約するのは難しいでしょう。

しかし、ある程度の規模の企業、法人であれば、活用法は無限にあります。

 

あらゆる業種で、試す価値があります。今後、多くの日本企業を救うかも知れません。

なお、固定 IP アドレスを使ったセキュリティを設定する都合上、システム管理部門も交えて導入を検討されるよう、おすすめします。

新しいサービスなので、「法人向け」でありながら、今だけ1か月の「無料おためし期間」があります。

 

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